二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.12 )
日時: 2011/03/02 18:20
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第1話 とりあえず、郷に入っては郷に従っとけ。大丈夫だから。


「で、何しに来たんだ?」

「ご飯たかりに来ましたww」

 翔はにっこりとした純粋無垢の4字熟語が合うような笑顔を浮かべ、土方十四郎に告げた。
 対する土方はくわえ煙草を灰皿に押しつけ、ため息をつく。息がタバコ臭い。そこは言わないお約束☆

「それが本当なら、お引き取り願おうか」

「嫌です。嘘ですから安心しろや、このマヨラーめ」

 バブチッ。土方の頭の中で、血管が切れた。今にも刀を抜いて、翔に斬りかかってきそうだ。
 傍で見ていた万事屋3人(+戦国BASARA)は、ひやひやしながら見ていた。実際、土方の刀如きで翔が切れる訳がないんだけど、そこも言わないお約束☆
 だってほら、翔は死神だし。

「本題は何だ?」

「俺はね、江戸に来てまだ日も浅いんですよ。江戸の事も何も知らない。万事屋に籍を置いてはいるが、分かる事も少ない。そこで、土方さんに折り入ってお頼みがあるんですよー」

 翔は笑顔を崩さず、ぺらぺらと言ってのけた。
 そんな翔を見て、小十郎は銀時に訊いた。

「あの坊主は大丈夫なのか? 相手はいつ斬りかかってくるか分からないぞ」

「大丈夫だ、あいつを信じろ。あいつの交渉術は伊達じゃないぞ」

「伊達?! 貴様、政宗様を呼び捨てに——!!」

「黙るアル、そこのコワモテヤクザ顔」

 神楽が酢昆布を食べながら、辛辣な一言を吐き出す。
 小十郎は何も言えず、ただ黙って座った。でもね、小十郎。政宗を呼び捨てにした訳じゃないから。伊達じゃないとかよく言ってるじゃん、あんたの上司。
 そんな事はさておき、翔の交渉は続く。

「こいつらの入国許可書を作ってはくれないですかね。入国管理局にも行くのは面倒だし、いっそ真選組に言った方が早いかなーなんて思ってたりするんで」

「……そいつら、何星人だ?」

 土方は真面目に、本当に真面目に訊いた。
 こいつ信じちゃったよ、と翔は思っていたが顔には出さなかった。流石死神、偽の感情もあるんだね。
 翔はとりあえず政宗を指して、こう説明する。

「こいつらは銀河の遥か向こうから来た、戦国星という所だ。こいつはその代表格で、名を伊達まちゃむねと言う」

「ふむ、伊達まちゃむね……な。代表格だけで良い、許可書を作ってやる」

「おぉ、ありがとうさん」

「ただし」

 土方が指1本を立てる。そして、翔の前にみたらし団子を置いた。
 だ、団子……と幸村が瞳を輝かせていたが、この際気のせいという事にしよう。(実際は佐助が押さえつけていた。大変だね)
 すると土方は、みたらし団子にマヨネーズをぶっかける。これでもかっという程に、白いマヨネーズをかけていく。
 流石に吐き気を催した万事屋3人。戦国BASARAの皆は、何をかけているのだろうかとか、あれをかけたら美味しいのだろうか話していた。(良い子は真似しないでね☆)

「このみたらし団子を食えたらな」

 ニタリと。土方は不敵な笑みを浮かべる。
 流石の死神でも、これは食えまい。なんて事を考えたのだろう。
 銀時が翔に耳打ちをする。

「おいおいおい、大丈夫なのかよこれ。お前、食べれるの?」

「んー……」

 翔が首をひねる。決断の末、団子をマヨネーズの中から引き抜いた。
 団子からマヨネーズが滴るマヨ団子。翔は躊躇なく、その団子を口に運んだ。
 もっさもっさと2、3咀嚼して飲み込む。最早みたらし団子の味は消え、マヨネーズの味しかしない。

「まぁ、ご飯と一緒なら行けなくもない」

「えぇぇぇ?!! あんたの味覚はおかしいんですか?! 大丈夫ですか翔君!!」

「姿が悪いもの程、食うと美味いって言うからな」

 翔が言うには、マヨネーズをたくさんかければ大丈夫、という事らしい。
 土方は無敵の死神、翔を前にして破れた(何に?)
 仕方なく、土方は許可書を書き、翔に突き出す。
 翔は許可書を受け取り、にんまりと笑うとすぐに部屋を立ち去った。

 ——その直後、胸焼けで倒れた事は言うまでもない。