二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.127 )
日時: 2011/04/20 17:57
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第11話 動物は最後まで大切にしてあげなさい。


「副隊長、あれ何ですか?」

 希実は中が煙で見えないファミレスを指して、昴に訊いた。
 隣で歩いていた春夜は、希実に向かって嘲笑を浮かべる。

「お前、知らないんでィ? あれはファミレスと言い——」

「違いますそんな事は知ってます」

 春夜を睨み上げ、希実は言う。
 昴は首を傾げて、ファミレスを凝視していた。
 何か、ファミレスから出てくる——?

「「「うぉらぁぁぁぁあああ!!!」」」

 刹那、掛け声と同時にファミレスから飛び出してきたのは、翔と神楽と桂だった。
 昴達の横をすり抜けて逃げる彼らは、猫の集団に追いかけられていた。
 その一瞬を見て、昴は唸る。
 何だったんだろう、今の光景は——。とりあえず、自分達がやる事はただ1つ。

「かーつらぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」

「待ちなせェ!」

「今此処であなたを処刑します!!」

 桂を追いかける事だった。

***** ***** *****

 翔は自分の背中に飛びついてくる猫を丁寧に叩き落とし、ひた走る。今彼が気になっている事は「背中、毛だらけだろうなー」というくだらない事である。
 定春に乗りつつ、猫を丁寧に払っている神楽はため息をついた。

「何アルか、この猫の集団は。私は猫に追われるつもりなんてないネ」

「そんな事を言うな。これも飼い主に会う為の試練だろう」

 桂が腕を組みながら、冷静な事を言っていた。
 その言葉を聞いて、翔と神楽は「うっぜ」とつぶやいて桂を地面に叩き落とそうとしたが止めておいた。
 今は自分が忙しいのである。

「かくなる上は、お前を餌にして俺らだけで飼い主に会いに行くか」

「待てぇぇぇ!! お前らが飼い主に会いに行ってどうする?! 会うのは俺だろ!」

 神楽の傘にひっついている星喰は、2人に向かってどなった。
 すると、いきなり桂が立ち上がり、

「話し合いをしようではないか」

 と、交渉をしてきた。
 何だこいつ、馬鹿なのアホなの死ぬの? と翔が瞳で語っている事をサラリとスルーし、桂は猫に言う。

「この犬は飼い主に会う為に今、必死になって生きているのだ! 同じ肉球を持つ仲間なら分かるだろう?」

「「「「「俺らは野良じゃぁぁぁぁぁあああ!!!!」」」」」

 猫の集団が桂の顔面に飛び付いた。
 翔がその後に桂の後頭部を炎神で思い切り殴る。

「逆効果じゃねぇか?! 何してんだよ、挑発してどうする?!」

「フッ。説得は失敗したか……だがいい。肉球に触れたしな、フフッ」

 頭から血を流しながら、桂は清々しそうに笑う。
 神楽と翔は決心した。こいつ、落そうと。
 翔は桂の着物の襟を引っ張り、神楽は犬を定春に一旦置いて、傘をバットのように構えた。
 そして————カキンッ! キラーン。


[ かつらは ほしに なった ]


 かいてもないのに汗を拭うふりをして、翔は前を見つめてただ走る。
 すると、後ろから「かーつーらー」と言って誰かが奔ってくる音が聞こえた。
 何事だと思いながら後ろを振り向くと、昴と春夜と希実がすごい形相でこちらに向かって走ってくるではないか。何? リアル鬼ごっこ?

「何、あいつら。包丁持って追いかけてくる山姥?」

「違うネ。某日本で1番多い名字を追いかけては処刑して行く鬼アル」

「なるほどー。見た事があるのは気のせいって事か。おい、星喰。あいつら食ってきて良いぞ」

「出来るか!!」

 またも傘に捕まり、星喰は叫ぶ。
 瞬間、猫の1匹が星喰の体に張り付いて「捕まえたー!!」と叫んだ。

「や、ヤバイ! 俺はこのままだと消される!」

「死ねよww」

「その『ww』がムカつくぅぅぅ!!」

 引きずりおろされそうになった星喰は、最後の力を振り絞ってどなった。

「キャンドルライトラストスパーキング!!!」


[ ほしくいは さかあがりを やってみた。 こうかは ばつぐんだ]


 逆上がりで猫を払い落した星喰。何となくだが、息が荒い。
 翔と神楽は2人そろってこう言った。

「「ただの逆上がりじゃねぇか(アル)」」

「キャンドルライトラストスパーキングだ!」

 あくまでもそこを貫き通すのね、分かります。ハイ。