二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.132 )
- 日時: 2011/04/22 21:47
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第12話 ロボットは怖い、バグが怖い。
生首が覚醒したので、翔達は全員で箱に乗る生首を凝視した。
パッチリとした目を翔の方へ向け、生首は言う。
「まずは私の名前を付けてください」
偉そうな事を言うなー、と翔は思ったがあえて口には出さなかった。
だが、神楽が代わりに「じゃぁたまで」と答える。
捨て猫か?! とツッコミそうになったのを我慢し、生首に目をやった。
「分かりました。皆さん、初めまして。私の名前はマリーアントワネット」
「気に食わなかったな」
「皆にはホクロビームと呼ばれている」
「おーい、虐めを受けている首がここにいるぜー」
やる気がないツッコミをした翔はため息をつき、ソファから立ち上がった。
何をするのかと思えば、壁に立てかけてあった炎神をグイッと掴み、生首もといたまに突き付ける。
「このまま焼き消されたくなければ貴様が誰なのかをハッキリさせろ」
「もうダルイからセーブしても構いませんか?」
「話になっていない。もういい殺す、焼き切ってやるその頭を」
翔は炎神を振り上げたまを焼こうとしたら、銀時に無理矢理押さえこまれた。
仕方なくソファに座り直し、たまの話を聞く事にする。また飽きたらたまを焼きにかかるだろうが。
「復活の呪文を言います。『もががずぼろそくされまぐろぱろみ』」
「ハァ?! 何で今時そういう古いタイプなんだよ! 翔、メモったか?!」
「え、何? 『もががずぼろそくされまぐろどん』?」
「微妙に違ぇぇぇぇぇ!!!」
復活の呪文を言い終わり、たまはブツッと音と共に眠ってしまう。
静かな時が流れ、翔はゆらりと立ちあがる。
そして手に持っていた炎神を振り上げ、たまを打った。ゴスッと音がして壁にぶち当たる。
すると、たまが急に目を覚まし、抗議をしてきた。
「セーブ中は衝撃を与えないでください。故障の原因になります」
「もうお前の頭は故障してんだろうがー!」
翔は完全にブチギレ、炎神を振り回そうとした瞬間。
テレビのアナウンサーが臨時ニュースを受け取ったらしく、その原稿を読み始める。
「芙蓉零号機が脱走中です。この顔を見たら、ただちに奉行所へ連絡してください。繰り返します——」
テレビに映し出されたのは、何とたまの顔だった。
全員の視線がたまへ注がれる。
一方のたまは、無表情のまま感想を述べた。
「これは私です。すみません、バグから回復しました」
「これが、お前なの?」
慶次が半信半疑でたまに訊く。
たまは「えぇ、そうです」と無感情の言葉を口にした。
「……よし。このまま奉行所へ突き出そうか」
「おいおいおい、俺らまで咎められるだろうが。それは止めとけよ」
銀時はたまの首を掴んだ翔を引き留める。
今にも出て行こうとしていた翔は、小さな舌打ちをしてたまを銀時に投げて渡した。
「申し訳ありませんが、ここに機械技師はいらっしゃいますか?」
「ハイ? 何でだよ」
確かに、機械技師なら源外の爺が居るけど、と翔達は思う。
たまは理由を説明し始めた。
「回路の中に、私では開けられない記憶が入っているのです。機械技師なら開けられるかと——」
その時だ。
ピンポーン、とインターフォンがなる。
「誰だー? 佐助、ちょっと出てこい」
「何で俺様……。ちょ、ちょっと万事屋の旦那?」
玄関に出ようとした佐助は、手裏剣を構えて銀時を呼ぶ。
銀時は「何だ」と答えを返した。
「何か、玄関に居るの——人じゃないよ」
爆発した。