二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.141 )
- 日時: 2011/04/24 15:45
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第12話 ロボットは怖い、バグが怖い。
「ハァ? 新八は来てねぇぞ」
源外はパソコンをいじりながら、入口に佇む皆に言い捨てる。
政宗は刀を抜き、源外に突き付けた。
「嘘をつけ、新八はこっちに向かったはずだ。てめぇは知らねぇのか?」
「知る訳ないだろうが。来てねぇってもんは来てねぇって」
パソコンに1発拳を叩きいれ、源外はチューブみたいな何かをパソコンの裏へブッ刺す。
銀時は舌打ちをして、辺りを見回した。
置いてきた翔達を探しているのだろうか、そんな感じがした。
「ねぇねぇ、何してるのー」
すると、間抜けな声が降って来て、銀髪と金髪が皆の前に現れた。
シノとミウである。2人は何かを抱えていた。
どちらも黒。良くみればそれは人で、翔と怜悟だった。
「なっ?! 翔と怜悟じゃねぇか?!」
元親が声を上げる。
シノが「そうだよー」とうなずいて、2人を地に落とした。
「んとね。2人で何か楽しそうな事をやってるから、1発拳を叩きいれて連れてきた」
「それ止めて。うちの大事な戦力だから」
銀時は気付く。そうだ、こいつは夜叉族、神楽よりも凶暴で強い奴だ。
シノは「ははは。そっかー」と笑って、源外の方を一瞥した。
相も変わらず源外はパソコンと向き合いっぱなして、こちらには目もくれない。
「……ねぇ、機械の悦子ちゃん。処分されるんですってね」
ミウは悲しそうに告げた。
「奴は繊細で華奢な機械を作るのが得意だった。奴は、人間が作りたかったんだよ」
パソコンから目を離さずに、源外は言う。
銀時が面倒くさそうに「じゃぁ嫁を作って毎晩腰をふってりゃいいじゃねぇか」と答えた。
源外は笑ったが、悲しそうに説明をし始めた。
「奴、林流山は1人娘が死んだ時から変わっちまった。人間って奴は千の感情を持つ。機械的に言えば、まさに神のような芸術品って訳さ」
ガチャガチャと何かを調節するように、源外の手は動いて行く。
「その感情を作ってしまえばこっちの物——神になれるって奴さ。まぁ、どうでもいい話だがな」
「その娘の名前が、芙蓉って事だろ」
頭をさすりながら、翔が目を覚ます。
源外の視線、皆の視線が翔へと集まった。
「で? 奴の目的、この芙蓉プロジェクトはどういう意味なんだ」
「野郎の真の目的。これの目的は、芙蓉を蘇らせる事さ」
ブツンッと音がして、パソコンが起動する。
画面に現れたのは、倒れた流山と1人の男。片手にはナイフを持ち、その場にたたずんでいる。
その男がいきなり振り向き、「だ、誰かー!!」と叫んでいた。
「……目黒博士」
「そうさな。たまは偶然、この殺害現場を見ていた訳だろう。だが、目黒は大事な事を見落とした」
ずっと画面を見続けていると、その倒れた流山がいきなり立ちあがった。
そのままフラフラと歩き、たまへと言葉を紡ぐ。
「ふ、芙蓉ぉ……」
皆の息が止まる。
ま、まさか————。
「そう。流山は生きている」