二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.142 )
日時: 2011/04/25 18:15
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第12話 ロボットは怖い、バグが怖い。


 またもブツンッという起動音で、画面にたまの顔が表示される。
 たまは、これまでの経緯を説明してくれた(別に喋らせるのが面倒とか、そう言う訳じゃないんだからねッ)
 流山は娘の芙蓉と同じく、自分を実験体にして芙蓉プロジェクトを完成させようとしていた。
 自分の人格データをコピーして、もっとも人間に近くなった存在——それが502号である。
 良好だと思われていた人格データも今では完全に崩壊し、今の流山は流山ではなくなっていた。
 副主任、目黒博士に明け渡したと思わせておいて、彼は完全に彼らを泳がせていた。影から悦子ちゃんの軍勢を操っていたのは、流山本人であったのだ。
 その話を聞いた全員(特に怜悟とミウと武将達)は頭が完全に爆発していた。元就除く。

「ちょ、ちょっと待ってくれ。頭がこんがらがって何が何だか分からねぇ!」

 元親がグワングワンと頭を振り回すが、それでも理解出来ない様子。
 ミウに至っては、シノに泣きついて話の要約を懇願している。どんだけ馬鹿なんだ? 野宮詩織さんからはとんでもない馬鹿でもおkって言われているが。

「私はただのおもちゃから始まりました。でも、今の博士は夢の残骸です。もう博士とは思えません」

 画面越しに言うたまの表情は、妙に悲しそうな感じだった。
 翔はチッと舌打ちをして、手に持っていた炎神を担ぐ。気だるそうに、たまに言葉を吐き捨てた。

「いいか、たま。記憶ってのは心で覚えるもんだ。頭なんか使うんじゃねぇよ」

     ブツン。

「え、何? 停電?!」

 翔が良い事を言った瞬間に、ブレーカーが落ちた。
 というか、辺り一面の電気が点いていない。

「まさか。町中が停電って事はないよな?」

 家康が苦笑いを浮かべながら、源外に訊いた。
 その時、ブツッと音がして、パソコンの電源がついた。
 画面に現れたのは502号の姿——後ろには捕まった新八もいる。

「新八殿ぉ!」

「幸村、画面越しじゃ誰もあんたの声なんか聞こえてねぇよ」

 翔が静かにツッコむ。
 幸村は渋々とパソコンから離れると、画面の502号が喋り始めた。

「女王の御霊、戻らん時——生贄の血が流れると思え」

 それだけ言うと、パソコンは音を立てて消えた。
 全員の空気が重くなる。

「これは、名指しで喧嘩を売られたようなもんだな」

 銀時が木刀を構えて、苦々しげにつぶやく。

「御霊だかキン○マだかしらねぇが、届けに行ってやるぜ」

「御霊でもキン○マでもありません——たまです」

 翔の後ろには、源外に作られた悦子ちゃんの姿をしたたまが立っていた。
 フッと銀時は口角を上げると、全員に視線を巡らす。


「じゃぁ行くか。笑顔を取り戻しに——」