二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.145 )
- 日時: 2011/04/26 18:10
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第12話 ロボットは怖い、バグが怖い。
機械達によるクーデターにより、江戸は真っ暗闇。テレビも映りはしない。
そんな中、機械達は源外の所を嗅ぎつけ、棒読みの声で警告していた。
「警告します。今すぐここから出てきて、我々の指示に従いなさい。繰り返します——」
そこまで言った時点で、シャッターが破られキャタピラが飛び出してきた。
もちろん、乗っているのは翔達である。
足の速い忍び達は塀の上を走っていたりする←
「ぶわはははは!! 流山、お前の作った貧弱な機械なんぞ、俺には効かんぞ!!」
「そんな事はどうでもいいけど、もっとソフトに運転してくれ……」
翔は青ざめた表情で口元を押さえ、源外に訴える。その背中を、燐菜がゆっくりとさすってあげていた。
プロフィールを見れば分かると思うのだが、翔は船が嫌いである。しかし、船みたいに暴れる乗り物も嫌いである。酔うから。
元親は海賊なので嬉しそうに口笛を吹きながら、襲いかかってくる悦子ちゃんを率先して叩き壊していくが。
「お前、死神のくせに乗り物弱いんだな」
「仕方ねぇだろ、トラウマがあるんだよ。うぇ、おろろろろろろ」
翔の口から何とも汚らしい『ピ————』が吐き出されて、悦子ちゃんにぶちまけられる。
そのせいか、悦子ちゃん達は障害を起こし爆発して止まった。
辺りの空気が重くなる。
「翔、グッジョブ」
「ハァ?」
いきなり政宗に清々しい笑顔で親指を立てられたので、翔は首を傾げた。
源外は川に飛び込み、そのまま下水道へキャタピラを運転させる。
どうやら皆は下水道を使い、ターミナルの奥底まで行くらしい。源外がそこに居ると推測したのだろう。
吐き気も収まったのか、翔の瞳には真剣な光が宿っていた。
「よし、このまま行く——ぞ————……」
下水道に入り、管の上を走行していたらフッと暗くなった。
上を見てみると、いつの間にか身の丈を超す悦子ちゃんが居るではないか。
「おおおおおおおい!!! 何が手薄ぅ?!」
「あれは307号。破壊神ですね」
冷静な言葉でたまが説明をする。
その『破壊神』というワードで、怜悟の心に火がついた。彼も一応、あだ名は破壊神ですから。
怜悟はスラリと背の斬鉄を抜き去り、こちらにモップを向けて走る307号に刀身を向けた。
「何をする気で——」
鶴姫の言葉が言い終わる前に、怜悟は飛び上がった。
307号を遥かに超えるジャンプ力を見せつけ、静かに刀を構える。
「月読流真空絶技————崩(かい)」
刀を一閃。すると、一瞬にしてそこらにある全ての物をバラバラにした。
足場を無くした怜悟は、そのままゆっくりと闇へと落ちて行く。
「翔」
最後に、怜悟は翔の名前を呼んだ。
「大丈夫。お前なら、たまを救える——。役目はここまで」
いつにもまして饒舌な彼は、闇に消えて行った。
翔が珍しく、苦しそうな表情を浮かべ、ズルズルと床に座り込む。
その時である。
強烈な破壊音と共に、足場が崩れ出した。さっきの怜悟の技が効いたのだろう。
「政宗様、皆様も!」
小十郎は刀を抜き、皆に向けて雷撃を放つ。
同じように佐助も幸村に蹴りを叩きいれ、上へ上げた。慶次も孫市をかばうように、体を上へ押し上げる。
そういう救いがあってか、上に上がれたのは翔と燐菜と銀時とたま、そして幸村と政宗と孫市と鶴姫と家康と三成だった。
「お前らぁぁぁああ!!」
「必ず、必ず生きて帰ってきます!」
小十郎が代表として叫び、闇へと引きずり込まれて行った。
銀時は全員を救い出そうと、闇へ1歩だけ足を動かすが、たまに制される。
「何するんだ。あいつらを助けねぇと……ッ!」
「生きています」
たまは冷静に、無感情の言葉で一言だけ告げる。
「あの方達は生きています。絶対に、絶対に」
無表情に言うたまに、翔はポンと手を置いた。
「……分かってるじゃん。よし、行こうか——流山を倒しに」