二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.146 )
日時: 2011/04/27 17:54
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

 あなたは、ずっと前から気付いていたのでしょう。
 芙蓉様に永遠の命を与えようとしたのも、
 亡くなった芙蓉様を蘇らせようとしたのも、
 皆みんな、あなた自身が寂しかったからだったのでしょう?


————第12話 ロボットは怖い、バグが怖い。


 生き残った翔達は、流山が居るターミナルの最深部に来ていた。
 下を見れば数体の機械と502号の姿をした流山。そして捕まっている新八が居た。
 翔は炎神をスラリと抜き、今自分達が居る足場を蹴り飛び上がった。
 ヒュンッと風を切る音がして、翔は足場に見事着地をする。

「林流山。貴様の魂、狩りに来た」

 死神としての光を瞳に宿らせ、翔は冷たい口調で言う。
 後に続いて、銀時達が華麗に宙を舞い地面に着地をするが、たまだけは地面に埋め込まれた。
 辺りの空気が重くなる——。

「ねぇ、何してるの?」

 銀時はそこに埋まっているたまに訊いた。
 しかし、たまの方は「あなたは哀れな人です」と流山を諭すように言葉を紡いでいた。

「ぎ、銀時様! その子、早く出してあげないと!!」

 鶴姫がたまの腕を引っ張りながら、銀時に言う。皆も協力してたまを引っ張り出そうとした。
 悦子ちゃん達がたま目掛けて攻撃をしてきたので、翔が炎神でなぎ払う。同時にたまが地面からすっぽ抜け、流山の方へ飛んで行った。

「あなたは、ここで始末します!!」

 たまの怒号。そしてモップが振りおろされて、先端が爆発する。
 だが、その攻撃は流山には効いていなかった。涼しげな表情を浮かべ、たまを見上げている。
 たまは負けじと何度も攻撃を仕掛けるが、流山は涼しげな表情を崩さず、たまの攻撃を受け止めていた。

「どんどん新しい感情が芽生えて行く——大いに結構だ。だが」

 そこまで言うと、流山はたまの頭を鷲掴みにした。その掌から電流が流れる。
 たまの瞳が震えた。電流によるショックが脳に来たのだろう。

「少し、おいたが過ぎたな」

「止めるでござるぁぁぁあ!!」

 幸村の激昂と同時に、槍が流山の頭を吹っ飛ばす。
 しかし、本来ならば脳にあるはずの電脳幹がなかった。気持ち悪いぐらいにギョロリとした瞳が、幸村を睨みつける。
 流山は幸村の首をガッシリと掴み、思い切り壁に向かって放り投げた。

「ぐはっ——」

「幸村! てめぇ……何してくれてるんだよ……!」

 政宗は6爪流で刀を構えると、流山を睨みつけた。
 ギョロリとした瞳はいつの間にか皮膚が構成され、元の流山に戻っていた。

「私の電脳幹は1ミクロンにも満たない細胞レベルの精密機器だ。簡単に壊れると思うな」

「ほう、ならば——炎で燃やしてみたらどうだ?」

 孫市は流山の背後でショットガンを構えて、挑発するように言った。
 その時だ、彼女の背中に衝撃が走った。
 血が逆流しそうになるような、胃の中の物が全て吐き出されるような強い衝撃。孫市はその場に崩れ落ちた。

「た、ま——?」

 そう、彼女に攻撃を加えたのはたまだった。
 翔は炎神をたまの方へ向け、静かにたまへ言葉を紡ぐ。

「意識が飛んだか?」

 たまは答えない。手に持ったモップを翔へと向け、タタッと走り出す。
 走ってくるのをよければ、翔は大丈夫だ。だが、彼の後ろには鶴姫や燐菜が居る。

「どうなんだよ、たま!!」

 ドゴンッ、と。翔はたまに吹っ飛ばされた。
 壁へと埋め込まれ、翔の意識は飛ぶ。

「さぁ、彼らも黄泉へと葬り去ってあげなさい」

「なぁ流山。てめぇが欲しかったのは、何でも言う事を聞く娘か? それはただのメイドさ」

 銀時は苦笑いを浮かべながら、たまを越してその先に居る流山に言う。
 流山は「何が言いたい」と言うように、目を怪訝そうに細めていた。

「だったらくれてやるよ。ただし、ちとごついけどな」

 銀時はそう言い、流山の後ろを指した。
 その後ろに居たのは——源外の機械と、女装をした武将達だった——。