二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.147 )
- 日時: 2011/04/27 19:45
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第12話 ロボットは怖い、バグが怖い。
「「「「「ご主人様ぁ〜〜〜〜!!!」」」」」
万事屋メンバー1同は一斉に声を発し、流山に向けて攻撃を放った。
光線を浴びて、ボロボロになる流山。しかし、彼には効かない様子だった。
だが、そんな彼を捕まえるかのようにたまがはがいじめをした。
「何を——」
「残念ながら、あなたは私の主人ではございません」
たまは冷淡な口調で、流山に言い放つ。
ツイと視線が上へと向けられ、流山もその方向を真っ直ぐに見据えた。
そこに居たのは、翔と源外の姿だった。
「私の主人は、彼らです」
「な、何を! 貴様、私に従うふりをしていた——!!」
次の瞬間、流山の額に炎神の刃が突き刺さった。
そのまま後ろに下がり、光のエネルギーが集まっている柱に当たる。
冷たい瞳で、翔は流山を睨みつけていた。
「言っただろう? 私の電脳幹は頭部にはな——」
「さぁ、それはどうかな?」
グッと力を入れ、翔は流山を柱のガラスに叩きつける。
背後には光が集結するエネルギーの柱。こんなところに叩きこまれれば、流山も消滅するだろう。
「灰になれッッッッ!!! 林流山!!」
ガシャンッと盛大にガラスが割れ、翔は流山をエネルギーの柱に叩きいれた。
まるで氷を熱したフライパンに入れた如く、流山の体は熱されて消滅して行く。
「か、体が……! 嫌だ、止めろ」
流山の電線が、翔の足に絡みつく。そのまま柱に引きずり込まれそうだ。
翔は必死に抵抗し、流山の体を押す。
「私を、1人にしないで——。ガッ!」
流山の体に、いくつもの武器が突き刺さる。
鶴姫の矢。銀時の木刀。たまのモップ。シノとミウのフープ。空華の苦無。幸村の槍。政宗の刀——。
様々な武器が刺さったと言うのに、流山はまだ生きていた。
「ふ、芙蓉ォ……何故、お前はァ……」
「さようなら」
たまは静かに言葉を紡いだ。
「さようなら、お父さん——」
たまの瞳には、溢れんばかりの涙が光っていた。
その顔を見た流山は、優しくほほ笑み柱の中に消えて行った。
「……林流山、魂を天国へ送る」
刹那。暴発が次々に起こった。
壁が、床が、全て爆発によりボロボロとなって行く。
キャタピラの1部を宙に浮かした源外が、ちっとも焦ったような素振りを見せずに淡々と現状を告げる。
「こりゃぁ困った。暴発が起きてら」
「な——?! じゃぁ、このままじゃアタシらは死んじゃ——?!」
そんなような事を叫んだシノの手に、たまの通信機が投げよこされた。
たまはにっこりとした笑みを浮かべて、皆に言う。
「博士が起こした事件です。私が何とかします、そのすきに脱出を」
「Ha? 何を言ってやがる。お前も——、翔! お前、何を!」
全員が源外のキャタピラに乗り込んでいたので、翔は政宗を引きずってキャタピラに放り込む。
自分は炎神を棒高跳びのように振り、キャタピラに飛び乗った。
「たまぁぁぁああああ!!!」
「私も守りたい物が出来ました。どんなにこの身が滅びようとも、私は忘れません。ですから、あなた方も私を忘れないでください」
たまは暴発が起こる柱へと歩み寄って行く。
「「「「「たまぁぁあああああああ!!!!!」」」」」
たまが最後に聞いたのは、全員の悲鳴だった。
***** ***** *****
数日後、お登勢の店にて。
たまの首だけが店に出ていた。体はない。
その姿を見て、雫は面白そうに笑う。
「ねぇねぇ、お登勢さん。あの首さ、面白いよね。だって首だけなのに喋るんだよ」
「そうさね。そう言えば、記憶がぶっ飛んじまったと言うのに、何か1つだけ覚えていたな。えーと」
お登勢が悩んだように頭を抱える。
雫はたまの首に近付き、「何か知ってる言葉ってあるの?」と訊いた。
すると、たまはこう答えてくれた。
「大魔王四天王の1人、侍——私の友達です」
無表情のたまの顔が、少しだけ笑みを浮かべたような気がした。