二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.15 )
日時: 2011/03/04 17:40
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第1話 とりあえず、郷に入っては郷に従っとけ。大丈夫だから。


 口直しにともらった一万円札の1割を駄菓子に変え、もぐもぐと食べながら歩く翔。ちなみに、んまい棒(コーンポタージュ)とふ菓子オンリー。

「いやー、収穫収穫。これでまともな飯を食えるぜ」

 お釣りを数えながら、銀時は現実的な事を言った。
 実際、今の万事屋はジリ貧で、最近は水で生活している程だった。
 よく生きてこれたな、と思ったそこのあなた。実は翔達は、野草をてんぷらしにしたり、おひたしにしたりなどしていたので、どの野草が食べれるのか分かったりする。
 そんな言葉を不思議に思った政宗は、新八に訊いた。

「おい、こいつら普段は何を食ってるんだ?」

「えーと……最近は水と塩と砂糖とつつじの花の蜜らしいですけど?」

 姉の給料で何とか生きていける新八は、ジリ貧生活に実害はない。
 その凄さを知らない(お金持ちな)武将共は、首を傾げていた。
 安心しなよ、皆。そのうち体験するから。

「おーい、翔ちゃーん」

 公園に差しかかった時、翔は誰かに名前を呼ばれた。
 ふと視線を公園の中に投げてみると、ジャングルジムのてっぺんに、銀髪少女が居た。大きくブンブンと手を振っている。
 その銀髪少女はジャングルジムから飛び降りて、翔の元まで走ってやってきた。

「よっす。お久しぶり」

「シノか……。お前、また天下統一ごっこでもしてたのか?」

 翔は手に持っていた食べかけのんまい棒を口に放り込み、呆れたように少女に訊いた。
 シノと呼ばれた少女は、大きくうなずいた。
 天下統一と言う言葉に反応し、武将共がシノに質問の雨嵐!!

「天下統一?! お前、どこの武将だ!!」「まさかお館様も倒されたのか?!」「早くこの地を明け渡せ」「おい、どこまで攻め込んだんだ?」

 流石武将。天下統一には過剰なまでに反応。
 すると、シノは笑いながら説明をした。

「ただの遊びだよ。本気にしちゃってるけど、マジで天下統一なんてしないよ」

 怖いしね、と付け足した直後、後ろから子供がシノに野次を飛ばす。

「ここの公園は、歌舞伎町の帝王よっちゃんが統一したー!!」

「そこの銀髪女は出て行け——がふっ」

 傍に居た悪ガキの1人を右ストレートだけで5メートル程ふっ飛ばし、自らをよっちゃんと名乗った少年に、赤い瞳を向ける。
 にっこりと笑っているようだが、内心怒っている様子だ。

「江戸の全ての公園は、江戸の支配者篠宮優奈のものだ。誰の許可を得てそこに居る? さっさと出て行け、さもなくば——全ての記憶を失う事になるが?」

 グラマーな腰にひっかけていたベルトに手を伸ばす。そこに収まっていたのは銃でもなく、はたまた刀でもない。バラバラにされた鉄の棒だった。
 それを4本全てを手に持ち、ゆっくりと組み立てて1つのフープを作った。

「痛いよね痛いよねこれで殴ったら痛いよね記憶が飛ぶかな飛ぶかなそれとも——」

「ひ、ひぃぃぃ!!」

 悪ガキは仲間を連れて早くも逃走。途中で翔にぶち当たったが、睨まれてもいないのに怯えたように逃走。
 シノはけらけらと笑い、ガッツポーズを作った。

「お前、子供を脅すのは大概にしろよ」

「フン。弱い奴は一生弱いままなんだよ。心の辞書にそう記しとけ」

「家なしの宇宙人が。何をほざくんだか」

「は・あ・あ!?! 何が家なしだよ家なし!! アタシは好んで浮浪天人をやってるだけで——」

「あら、シノちゃんに翔君。皆さんお揃いで」

 優しい声がした。とてもとても、心に心地よい優しい声。
 だが、翔達(神楽、戦国BASARA除く)にとっては、地獄から誘われるような声だった。
 ギギギ、と振り向いてみると、そこに居たのは——志村妙。

「姉御!!」

「あら、神楽ちゃん。元気?」

 神楽だけが勇気あるハグを、妙にした。流石女の子。

「ちょうど良かったわ。皆さんに食べてもらおうと、私卵焼きを作って来たんですー」

 タッパーを取り出し、妙は皆の前に差し出す。
 中身に至っては、訳の分からない暗黒物質だったが……。まぁ、そこはコメントには出さない皆。
 だが、まだ江戸に来て(つか銀魂の世界に来て)日が浅い武将共は、ストレートな感想を述べた。

「「「「「黒焦げじゃん(でござる)」」」」」

「卵焼きですー。皆さん、食べてくださいー」

 笑顔。綺麗な笑顔で、妙は言う。その言葉は、銀時、新八、神楽、翔、シノに重くのしかかった。
 すると、シノが大胆な行動に出た!!

「自分、義姉さんの手料理は、豪華過ぎて口に合いません!! 自分みたいな奴は野草が1番です!! 代わりといってはなんですが、指詰めますんで!!」

 佐助の腰にあった手裏剣をかっぱらい、シノは小指を切り落そうとする。
 妙はそんなシノを止め、代わりに男子に目を向けた。
 お前らが食え。
 瞳がそう語っていた。怖いほどに。

「よし……。分かった」

 翔がタッパーから卵焼き(らしきもの)を取り出すと、銀時に目配せをした。
 素早く銀時は動き、官衛兵をはがいじめにする。

「お前が食え、黒田!!」

「何故小生が——!! ぐぉおおおお!!」

 そのまま官衛兵は、三途の川まで行ってしまったらしい。戻ってきたけど。


 さぁ、ここからが侍と武将、そして銀魂と戦国BASARAの共同生活が始まった。