二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.152 )
日時: 2011/04/29 20:37
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第13話 雨は必ず上がる。


 翔達を見るなり、晴明はハッとした表情で翔達にどなる。

「来るなと言ったじゃろうが! 聞こえなかったのか?!」

「うん。俺、人間の話は聞かない派だし」

 翔は面倒くさそうに耳をほじり、晴明に笑顔を見せる。
 だって、翔はどの道晴明がどうなろうと知ったこっちゃない事だし。というかあわよくば全員死んで呉れても構わないと思ってるから、この人。
 何でかって? 分かるでしょ、死神は陰陽師が嫌いなの。

「フッ。相手が何人、束になってかかって来ても俺には敵わん!」

 道満は嘲笑を含めた言葉を全員に浴びせる。
 政宗が「プライドを汚された。あいつを殺してくる」という三成的な発言をして襲いかかろうとしていたところをミウに止められていた。
 いくらなんでもミウもそこら辺の常識はあるようだ。

————まぁ、何でもいいからさっさと競技を始めてくれない?

「え、誰だよお前?! 出てこい!」

————あのさ、君らの為に時間を割いてんだから。さっさと始めてよー。

 あ、すみません。私の声が漏れましたか。
 ハイハイ。作者の都合上、きっちりかっちりやってもらいますからね。

「では、まず最初です」

 巳厘野衆から司会の奴が出てくる。
 最初と聞いて、翔は面倒くさそうなので引っ込んだ。代わりに神楽と新八が出る事になった。
 前々から気になっていたんだが、新八は何で悪魔のような格好をしてるんだ? 一昔前の。

「えー、一回戦はパン——」

「パン喰い競争か何かかな?」

 シノが興味を示したように言う。
 「さぁ?」と翔は適当に言葉を返した。ら、何か気持ち悪い光景を見た。
 何か知らないけど、紐から何かがぶら下がっている。どう見てもパンではない。

「パンデモニウム食い競争です」

「食えるかぁぁぁあああ!!」

 新八のツッコミがホールを反響した。
 まぁ、確かに食べられるものじゃないです。詳しくはコミックスの33巻をチェック!

「嫌だよ、ギブ! ギブ!」

「何を言ってるアルか。しばかれたいか?」

 神楽が強い拳を新八に叩きいれ、黙らせる。
 新八は肩で息をしつつ、パンを睨みつけた。そんな事をしても普通のパンにはならないよ?

「さぁ、位置についてー、よーいドン! って、早ッ!」

 司会がツッコんでしまうほど、神楽の走りは早かった。
 つーか、新八を雑巾のように引きずってパンの元にたどり着くと言う荒業をやってのけた。新八の後頭部は傷だらけ。
 パンの前にたどり着き、神楽は新八に言う。

「さぁ、食え」

 どこの女王様だ。

「食えって! これは食えたもんじゃないでしょ!」

「じゃぁ私が食べさせてやるアル。口開けろ」

 それは違反です。

「くそぉぉ! こうなりゃ、やけじゃぁ!」

 新八はやけくそになって叫び、パンに食いつこうとする。
 その時——チュッという軽い音が鳴った。
 耳のいい翔と佐助は、その音を聞いて固まった。新八も同じように固まる。

「どうしたアルか?」

「ふぁーすときす……何でもない」

 誰にも聞こえないような声で言う新八の方は、どういう訳か震えていた。
 翔は顔を隠すように手で覆う。
 あいつ、パンにキスをしちゃったかー。くっそー、何て純情なんだ。
 すると、パンが動き出した。

「わ、私も初めてだったから——」

「え///」

 2人の間がピンク色になる。
 何? このフラグ、早く取っ払った方がいいの? 新八の為に時間を割くなんて、私出来ないよ? したくないよ?
 ちょっと、それはないんじゃないの?! というツッコミがありましたが、無視しても構いませんね。ハイ。

「べ、別に気にしてないから……。ね? だから、私を食べて」

「あ……ハイ」

「おい、あいつしばいてきてもいいか?」

 翔が炎神を構えて、銀時に許可を求めた。
 銀時は「止めとけ」と翔を止める。流石主。

「遠慮しなくていいの。私にとっては最初で最後のキスだった——私を女の子にしてくれてありがとう」

 パンは精いっぱいの笑顔を浮かべる。あれ、何かすごい綺麗になってない?
 新八は血涙を流しながら、その場に膝をついた。
 そして、ついに翔がブチ切れた。と、同時に神楽がパンを蹴り落とした。
 そのままパンは相手の式神の口にダーイブ♪ もうどうにでもな〜れ♪

「何してんじゃぁぁ! パンさんを返せぇぇ!!」

「まだだぁぁぁあああ!!!」

 神楽は式神の腹目掛けて蹴りを放つ。その後ろに、翔が炎神を構えていた。

「「出せおらぁぁぁあああああ!!!!!!」」

 神楽は新八の為、翔はストレスと為に式神に攻撃を放つ。
 式神は口から『ピ——』をぶちまけた。
 モザイクかかった『ピ——』を手さぐりで掻きわけて、神楽は嬉しそうな表情を浮かべて「あった」と叫んだ。

「新八、どっちが良いアルか?」

 それは、両方とも消化しかけていたパンデモニウムだった。