二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.154 )
- 日時: 2011/05/01 15:11
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第13話 雨は必ず上がる。
外道丸は倒れた銀時の襟首を持ち、急いで引きずってリング外まで連れてきた。
翔達も銀時の様子を確かめるべく、観客席からリングまでやってくる。
晴明は銀時と交替を果たしたと同時に、式神を召喚する。
「葛の葉。こいつの玉の治療を頼む。外道丸、お主もじゃ」
晴明は式神に命令すると、リングに上がった。
何をするのかと思ったら、突如現れた光が晴明に集まって行く。
その光を見た翔は、ハッとしたような表情を浮かべた。
「……お前、町中に放った式神を解いたのか!」
相手の式神が振りおろした刀を素手で砕き、晴明はキリッとした瞳で道満を見つめる。
「道満、来るがいい。結野晴明の力、とくと見せてやる」
「ほざけぇぇ!! 軍勝秘咒!!」
道満はリング上がると同時に、黒い光を晴明目掛けて撃つ。
しかし、晴明は冷静に呪文を唱えていた。
「呪詛返し」
凜とした声がホールに響き、白い光が黒い光とぶつかり合う。
どちらも互角——だが、晴明が少しだけ力を入れると、黒い光が押されて道満と共に弾け飛んだ。
吹っ飛ばされた道満は、床に叩きつけられる。
「くっ……。おのれ、晴明!!」
舌打ちをした道満の周りには、何枚もの炎をともした呪符が囲んでいた。
だが、晴明の力は道満の力よりもはるかに上回っていた。
彼が所有する呪符の数はまるで壁。青い炎を上げながら、晴明の後ろに佇んでいた。
「これが、想いの差じゃ!!」
晴明は道満に向けて呪符を放つ。
青い炎に焼かれ、道満は苦しそうな声を上げた。
そんな彼の頭の中に、渋いおじさんのような声が流れる。
『我に身を委ねよ』
道満の体に、呪印が刻まれる。
『何を迷う? 何を戸惑う。1000年前のように、我に憎しみを委ねよ』
その途端、道満の居たところから溢れんばかりの闇が吹き出した。
翔は咄嗟に炎神を抜き、飛んできたコンクリートを炎で焼き切る。
「チッ。何が起こった、これは!!」
「あれは、結野衆と巳厘野衆が決死の思いで封じた最凶の邪神——」
冷静で、焦りをその顔に見せずに外道丸は言う。
翔は闇から現れた、鬼のような黒い神に目を向ける。そして苦々しそうな表情を浮かべて、舌打ちをした。
「闇天丸……」
翔は知っていたのだ。死神だから、地球が出来て人間が地球で活動する前から生きているから。
闇天丸が、結野衆と巳厘野衆が苦難しながらも封じた邪神だという事を。
炎神を持つ手が震えた。
熱いマグマのような感情が、体中を支配する。苦しいような熱いような、自分の体が地獄の業火で焼かれているような気分だ。
翔は闇天丸に向かって、雄叫びを浴びせた。
「闇天丸——貴様、もう1度あの悲劇を繰り返そうって言うのか!!」