二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.168 )
日時: 2011/05/06 18:22
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第16話 空を見上げて歩こうか


 一方、塔に残されたスカイとスカルは壮絶なバトルを繰り広げていた。
 スカイの拳がスカルの顔面に決まれば、スカルの蹴りがスカイの腹に炸裂する。
 両者とも一進一退の攻防戦が続いていた。

「楽しいねぇ、楽しいねぇ!! こんなに楽しいのは初めてだよ!」

「親父……ッ!」

 スカルの蹴りによって与えられたダメージが回復していないのか、スカイは苦渋の顔をしていた。
 ズキズキと痛む腹を押さえ、スカイはスカルに向かって拳を握る。
 その時だ。

「楽しそうじゃん」

 凜とした声がして、2人の間に人が割って入って来た。
 宙に舞い上がる黒髪。手に持った柄の赤い鎌。もちろん、翔である。
 翔は口元だけに笑みを浮かべながら、「俺も混ぜろ」と言った。

「お前、逃げろって言っただろ?! つか、思わなかったのかよ。親父には、スカルには敵わないって!」

「思わない。むしろ、俺の方が強い」

 堂々とした様子で言い放つ翔。スカイをホールの端にぶっ飛ばし、スカルと対峙する。
 スカルは不満そうなオーラを醸し出していた。相手がスカイじゃないと気が乗らないようだ。

「スカイ以外の人と、時間外労働はしたくないなー」

「残念だったな、俺がスカイじゃなくてよ」

 翔は舌打ちをしてから、炎神を構えた。
 スカルはつまらなさそうに口を尖らせ、「仕方ないや。代用で我慢するよ」とつぶやいた。

「止めろよ翔! 親父の相手は俺が——ッ!」

 スカイが反論しようとしたが、既に2人の戦いは始まっていた。
 さっきスカイとスカルがやっていた戦いよりか、遥かにレベルが高い。一進一退の攻防戦という枠から飛び出し、翔による翔の翔の為の攻撃戦が始まっていた。
 翔の攻撃はスカイよりも重い為か、スカルは防戦一方になっていた。
 これ、イケるんじゃね?
 すると、翔が居ないのに気付いて皆がホールに戻って来た。

「あーっ! 翔が戦ってるよ、ずるい!」

 シノが恨めしそうに叫ぶ。
 ミウが「そこはずるいじゃなくて……」とさり気なくツッコミを入れた。
 スカイに気付いた鶴姫が、こちらに駆け寄ってくる。

「スカイ様、大丈夫でございますか?」

「平気じゃないかも……。それより、翔が……」

 一方的な攻撃はもう覆され、今度はスカルが翔に攻撃をしていた。
 炎神が折れそうな勢いで殴りかかってくるスカル。どこのライオンよりも血に飢えている瞳をしていた。
 翔はチッと舌打ちをすると、炎神に力を込めた。
 ボォ、と炎があふれ出し、ホールがたちまち炎に包まれる。

「なっ、あ、うわ?!」

 スカルはとりあえず、翔から距離を取る。
 しかし、翔はそんなスカルを逃がすはずもなく、炎の糸でスカルを絡め取った。

「く、ぅ……。熱くない、けど……。何のつもり? お情け?」

「いんや。普通に殺したら俺が怒られるだけだし」

 翔が答え、炎神に力を込めようとした瞬間——。
 スカルの指が少しだけ動き、
 翔の黒髪が燃え落ちた。