二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.169 )
日時: 2011/05/06 22:06
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第16話 空を見上げて歩こうか


 燃え落ちた自分の髪に目を向け、顔の筋肉をヒクヒクと痙攣させている翔。スカルに視線を戻すと、本人は笑っていた。
 スカルはツイ、と炎に指を滑らせて風船が弾けるかの如くに消し飛ばした。自由の身になったスカルは、ヘラヘラとした笑みを顔に張り付ける。

「いやぁ、自分でも思わなかったよ。まさか死神の力をコピる事が出来るとはねー」

「コピー? そうだ、スカイは——!!」

 凜が何かに気付いた様に、スカイに視線を注ぐ。
 スカイはパッと視線をそらし、『何が何だかさっぱり分かりません』と言ったような雰囲気を醸し出していた。

「人の攻撃パターンをコピーする事が出来るのよ!!」

 しーん。
 皆は話の内容を理解していないようだ。ミウに至っては爆発していた。
 あ、つまりは人の技をコピーするんですよ。
 例えばですね、翔が『地獄業火 獄炎乱舞』をスカイに向けてやったとします。
 スカイはこの時、この攻撃を受けるか見るかをするとこの攻撃が使用可能となる訳です。
 ちなみに、武器なんてのはスカイには必要ありません。全て素手、体術での戦いになりますからね。
 以上。特に武将の真田幸村さんと長宗我部元親さんとミウ・メイガスちゃんは分かりましたか?(By作者)

「俺達を馬鹿にしてるのか!!」

 元親がこっちに向かって何か叫んでるけど、何にも聞こえません。
 別に何を叫ぼうが勝手ですけどね。私が操ってるんですし。私がこの世界を作ってるんですし。

「……眼鏡ブス」

 ンだとコラ。オクラ(毛利元就)、お前日輪に焼かれて死ねッ!!
 話、戻ります。
 翔は自分の力をコピーされた事を説明され、スカルを睨みつけて舌打ちをした。
 こうなってしまったらもう終わり。自分の技もコピーされて自分は焦土と化す。ハイ、消滅。
 そんな事はなるべく免れたいッ!!

「おい、何か対策とかあるのかよ?」

「ある訳ないじゃん。親父だし、相手は何でもかんでもコピーしてくるからね」

 あ、でもとスカイは何かを思い出した。目線は武将達に向けられている。
 まさか、と佐助は心の中で思った。

「俺さ、BASARAの技はコピーできなかった」

「あー……。異世界の野郎だからな。よし、お前らやってこい」

「嫌だよ! 俺様だって、命は惜しい!」

 佐助は抗議の声を上げた。
 しかし、そんな佐助の声を無視して、幸村は特攻して行った。さっきの惨劇を見ていなかったのか。
 スカルは幸村の技、『虎炎』を体に叩きこまれて2メートルぐらい吹っ飛んだ。

「あ、ははは。骨がマジでヤバいんだけど……。死んじゃわないかな、これww」

 口から血塊をこぼし、スカルは無理矢理な笑顔を作った。そして適当な木の枝を拾い、幸村に向かって駆けだす。
 木の枝に炎がともった。
 あ、嫌な予感——。

「『虎炎』」

 やっぱりな。
 息子に出来ない物は親父に出来ない——という概念は、山下愁の中では存在しないのだ!
 というか、BASARAの技まで出されたらこれはもう終わりという物ではないか?
 そんな絶望的な状態の中、怜悟に背負われていた夢亜の体が動いた。
 うっすらと瞳を開け、そして小さく細く言葉を紡ぐ。


「私、が————きょうりょ、く、する……」