二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.17 )
日時: 2011/03/06 15:17
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第2話 薬とかヤバいものあるけど、皆注意してね。街で海が見えるから。


 とりあえず、佐助と孫市が帰ってくるのを待っている間、翔は机に突っ伏して寝ていた。
 銀時達も情報収集に出掛けてしまった。自分も行けばよかったと今更後悔。

「おい、翔はいるか?」

「あ〜? 誰だよ何だよ起こすなよ……」

 翔は面倒くさそうにつぶやき、机から身を起こす。
 自分の目の前に現れたのは、人を抱えた家康だった。またどこかで拾ってきやがって。
 目をこすり、欠伸をして、翔は家康にたった一言だけ告げる。

「捨ててこい」

 人を完全に物扱い。これは酷過ぎる。
 家康は冗談だと思ったらしく、笑って翔の言葉を流す。いや、本気なんだけどね。

「こいつ、面白いんだ。馬鹿にしか触れない刀を持っているんだ」

「……馬鹿にしか触れない刀だと?」

 翔は怪訝そうに眉をひそめ、とりあえず家康にソファへ下ろせと命令を下す。
 長身で、身の丈を超すか越さないか程の長い刀を背負っていた。黒髪は短く、そしてボサボサである。どうやら、旅人の様だ。
 見覚えがある。完全に見覚えがある旅人だ。
 確かめる為、翔は旅人の耳にささやいた。

「今現在、うちには水しかないけど」

「……水で良い、くれ」

 ビンゴ——。
 翔は炎神を引き抜き、旅人に向かって振り上げた。家康が悲鳴を上げたが、そんなのはどうだっていい。
 すると、旅人も跳ね起きて刀で炎神を受け止める。反応はまぁまぁのようだ。
 鋭い紫色の瞳——どこか妖艶で、儚い感じがした。

「流石だな、怜悟。破壊神の二つ名は健在しているようだな」

「……翔も相変わらず。理不尽」

 怜悟と呼ばれた旅人は、翔を振り払い刀を収めた。
 翔はため息をつき、炎神をホルダーに収めた。そのまま出しておくと、後で新八がうるさいからだ。
 騒ぎを聞きつけて、奥から武将共がぞろぞろと出てきた。

「何があったんだー?」

 元親は、ものすごい眠そうに目をこする。どうやら、今まで寝ていたらしい。
 怜悟は翔の前に座ると、1つの袋を見せた。白い粉末みたいなのが入っていて、何かの薬の様だ。

「何だこの小麦粉。料理に使っていいの?」

「……麻薬だ」

 その言葉を聞いた翔は、首を傾げた。
 麻薬。その言葉自体は知っている。でも、何故怜悟が持っているのだろうか。

「……昴から、1つもらってきた。これを資料に、翔に協力してもらいたい」

「へぇ。この麻薬、効果はどんなもんだ?」

「おい、さっきから言っている麻薬だの何だのは一体何なんだ」

 元就が当たり前発言をした。
 そうだよねー、あんたら戦国自体から来たもんねー、麻薬なんて知らないよねー。阿片とかだって中国だもんねー。
 そんな質問を受けたのに、怜悟はまったく答えない。こいつ、口下手なんだ。
 代わりに翔が、馬鹿でも分かりやすいように説明する。

「幸せの白い粉だ」

「大まか過ぎて分からん。もう少し分かりやすく、詳しく」

「吸ったら死んじゃう幸せの白い粉だ」

「死ぬのが幸せなのか、この時代は」

 ボケとツッコミの合戦。翔はボケるのにも疲れたのか、真面目に説明し始めた。
 最初から説明してやれよ。

「依存性——まぁ、こいつを使うとだな、こいつばかりを求めたくなっちまう。いつ、いかなる時でも求め続け、最終的に死ぬ」

「なっ——、そんな怖いものなのか!! その、小麦粉は!!」

 マジボケなのか、本気なのかどっちかにしろ。前田慶次。
 後ろでシクシクと泣き始めるお市。「全部、全部市の性……、ふふ」とか笑ってる。さらに、官衛兵が魔の手に引きずり込まれていた。
 怜悟が、付け足しで説明する。

「……これ、やってるトコ。ある」

「? どこだ、そこは」

「行く時、オレンジ頭のコンビを見かけた。そこに行った。店の名前は、クラブ空風」

 ふと、オレンジ頭のコンビが脳裏に浮かんだ。
 佐助と孫市である。2人がやられる心配はないが、薬を嗅がせられたらお終いだ!!

「行くぞお前ら!! 佐助と孫市を探すのを手伝え!!」

「「「「「合点!!!」」」」」