二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.173 )
日時: 2011/05/07 18:01
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

エピローグ 炎神暴君☆リシタニア


 すまいるの中はガラガラだった。何と言うか、客もいないし、何もないし。
 ただ居ると言えば、キャバ嬢と遊ぶ松平と将軍だけである。
 電話を掛けてきた張本人、凜の姿はない。

「おい、あいつ帰ったか? せっかく来てやったのに」

 チッと舌打ちした翔はとある変な物を見た。
 ……楽しそうに話しこむ凜と雫とシノとミウの姿だった。将軍たちの席とはかなり離れている。

「おい、凜。何でお前はこんなところで酒を飲んでいるんだ」

「あ、女装死神。プライドはついに捨てたのね、おめでとう」

 凜は今の翔の格好を見て酒で紅潮した顔に笑顔を浮かべる。相も変わらずの毒舌だ。
 雫もシノもミウも酒を飲んでいるようだ。

「おい、未成年だろうがお前ら」

 翔がそう指摘すると「別に良いでしょー」と雫が返してきた。
 雫はお登勢さんの所で働いている為、酒は何度か飲んだ事があるのだ!
 って、何をしてんだ!

「で? 面白いものって何だよ?」

「あれよあれ」

 遠くに居る将軍たちの席を指す凜。
 お妙と九衛兵、そしてあやめに神楽。後、見慣れないゴツイソープ嬢が王様ゲームをやっているらしい。
 その見慣れないソープ嬢はなんと、銀時と新八だった。
 翔と空華とスカイは思わず吹き出してしまう。だってその女装が似合わない似合わないww

「お、あれ銀さんじゃないか。何でタオル1枚なんだ?」

 慶次が興味津々そうだったので、孫市に殴らせて気絶させた。慶次なら真似しかねん。

「翔も飲みなよー。お酒、美味しいよ?」

「何でお前も飲んでいるんだよ。馬鹿か?」

「これね、お酒じゃなくてジュースなんです。お酒って思いこんでるだけです」

 ミウが説明する。
 未成年という事はきちんと理解しているのね、分かります。ちなみにシノ、コーラを飲んで酔っている気分になっているらしい。

「うぉらー、飲め飲めー」

「ちょ?! シノちゃん、お市ちゃんにコーラを掛けるのは止め——、あ」

 シノがお市にコーラをぶっ掛けた。
 茶色い液体に濡れ、お市はシクシクと泣きだす。同時ににゅるにゅると手が飛び出て来た。
 魔の手が官衛兵を捕まえて、胴上げを始める。

「ぎゃー!! お市ちゃん、魔の手をしまいなさい。後シノ! コーラ禁止!」

「うるへー。あたしが何をのんらっていいんらー♪」

「お前、シバかれないとダメらしいな……ッ!!」

 翔はグッと炎神を抜き、シノに襲いかかる。
 しかし、シノは一応先頭民族なので反射的にフープで炎神を押さえた。

「うふふ〜♪ 翔、あたしとやる気ぃ?」

「お望みならば今此処でお前を死刑にしてやるからそこに座れ!」

「もう座ってるよぉ」

 酔っぱらったシノとブチ切れた翔の喧嘩。
 政宗や他の武将達はもうすでに飲み始めているし、官衛兵はまだ胴上げされている。

「「「「…………」」」」

 中が騒がしいので一応様子を見に来たら、こんなカオスな状況になっていた。
 昴、春夜、希実、怜悟、空華、スカイはそんな彼らを見て呆れていた。

「おい、これは一体どういう状況なんだよ」

 昴が酒を飲む凜に訊いた。
 「んー?」と答えた凜は、辺りを見回す。
 酒を飲むBASARAの皆。
 喧嘩をする翔とシノとミウ。
 酒の酌をする雫と燐菜。
 まったくもってカオスな状況である。

「まぁ、これが江戸って奴でしょ?」

「そんなものかなー」

「どうでもいいです。もう真選組の仕事なんてほっぽりだして飲みましょう」

「希実ちゃん、何で副隊長の前で言っちゃうのそれ」

「副隊長も飲みましょうや。今日は無礼講ですぜィ」


 2つの世界が合わさった無法都市、江戸。
 彼らが生きるこの世界は、今日も笑顔と涙と喧嘩と言葉で埋め尽くされている。

 平和で平和な町です。