二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.18 )
日時: 2011/03/08 17:28
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第2話 薬とかヤバいものあるけど、皆注意してね。街で海が見えるから。


 クラブ空風は、今日も賑わっていた。天人の若者や、侍。ガングロの女の子が手を取って踊っている。
 そんな中、2つのオレンジ頭が見えた。
 フェイスペイントをした男——猿飛佐助は、辺りに視線を巡らせる。忍びらしい、観察眼だ。
 隣には気だるげに居る女——雑賀孫市は、佐助に問う。

「居たのか?」

「いや、まだだね。まったく、人を探せなんて粗い仕事だ」

 佐助は苦笑を浮かべ、そしてまた辺りに視線を投げた。孫市も佐助の後に続く。
 情報はつかんだのだ。このクラブに入り浸っている事を、佐助達は知ったのである。だから探しているのだ。

「ま、報酬ももらえるしね。頑張りますか」

「ゴリゴリ様は神だ。あの味はまさに、神に等しいとも言えよう」

「ちょ、雑賀さん?! キャラが変わってるよ!!」

 その時だ。
 店の奥の方、誰かが倒れる音がした。直後、「ハム男おぉぉぉ!!」という悲鳴が起きる。
 まさかと思い、2人はその方向に目を向けた。
 赤い髪。まさしく、神楽だ。隣に居てツッコんでいるのは新八だろう。
 佐助は孫市と共に、神楽と新八の元へ駆けつけた。

「どうした?!」

「あ、佐助さん! この人、倒れちゃって……」

 アフロでデブ。まるであのガングロ少女と似ているが、どこか違う。
 よだれ、鼻水をたらし、酔っぱらったように目は据わっている。どこ遠くを見ているような瞳をしていた。ちなみに、目は隈だらけ。
 こいつ——酔っぱらっているんじゃない!!
 すると、店員が「あー、お客さんは向こう行ってて」と言いながら、男を回収した。その際、新八は男について訊いた。

「何があったんです?」

「最近ね、この辺りに麻薬が出回っているらしいんだ。お客さんも気をつけな、かなりヤバいから」

 鳥頭の天人店員は、男を店の奥へ引きずって行った。
 佐助は顎に手を当てて考え込む。
 麻薬。毒か何かの一種ならば、佐助は忍びなので慣れているだろう。だが、他の皆はどうだろうか。
 不幸な事に、佐助と孫市は武装はしていない。軽装の着物を着ている。逮捕されないように。

「こりゃ、何かヤバいなー」

「てめーらか? 俺らを探しているのは」

 背中に冷たいものが当たり、佐助は振り返った。
 視界の先に居た者——武装をした連中だった。明らかに他の奴らとは違う。

「誰だ、お前ら」

 いつもの声より、かなり低くして佐助は問う。
 銃を突きつけてきた男達は、笑ってこう答えた。

「宇宙海賊、春雨だ。俺らの恐ろしさ——思い知らせてやる」

 そこで、意識が途切れた——。

***** ***** *****

 翔達はクラブに滑りこんだ。
 天人だらけ。どこもかしこも。だが、オレンジ頭の男女なんて見当たらなかった。

「くそっ……。どこ行ったんだ!!」

 元親は、碇槍を床に叩きつける。地響きがした。
 落ちつけ、と翔が一言だけ告げると、鳥頭の店員に話を訊く。

「この辺でオレンジ頭の奴らを見なかったか? 男女のペアだ」

「あー? そう言えば、さっき誰か連れて行かれたな。連れションじゃないの?」

 翔は駆けだした。猛スピードで、天人なんかを蹴散らして。
 扉を開けた先に居たのは、たくさんの天人に囲まれた銀時とガングロ少女である。
 瞬時にして炎神を抜き、翔は天人をなぎ倒した。

「お前……ッ!!」

「佐助と孫市が消えた。神楽と新八もおそらくいねぇ!!」

 襲ってくる天人を丁寧に1人ずつ叩き潰していき、翔は銀時に現状を告げる。
 刹那、幸村のどなり声と慶次の悲鳴がした。
 その方向に目を向けると、新八と神楽、佐助と孫市が虚ろな目で天人について行く。
 ヤバイ。麻薬を嗅がされたか——!!

「この野郎!!」

 翔は駆けだし、天人をなぎ倒そうと炎神を振ったが、それよりが先に、眼鏡の天人に蹴りを入れられる。
 霞む視界を上に向け、天人の姿を捕らえた。
 あー、何か汚い物を見るような目で止めてほしいな。そんな事を思いながらも、死神の目で何とか名前を見つけた。
 宇宙海賊春雨幹部、陀絡——。

「てめぇ……あいつらにッ!!」

 立ち上がろうとしたが、手を踏みつけられる。
 陀絡は、黒い笑みを浮かべて翔を見下ろしていた。どういう気分何だろうね、いい気分なんだろうね。

「これはこれは……炎の死神じゃないか。高く売れそうだな」

「翔殿を、放せ!!」

 幸村が拳で向かおうとするのを、翔は「止めろ」と止めた。
 何か、ヤバい気がする。こいつだけは。
 炎神を神の様な早さで拾い、銀時の様子をうかがう。だが、そこに居るはずの銀時が、既に居なかった。
 舌打ちをして、翔は炎神を振り上げて陀絡の足を殴りつける。そして跳ね起きて、すぐさま炎神を構えた。

「地獄業火、獄炎乱舞!!」

 炎を生み出し、全員を引き連れて窓から飛び出す。
 1度、体勢を立て直さなければ。こいつらの武器も、使わせる。そして、馬鹿達に連絡を——。

「お前ら、最後まで行けるな?」

「「「「「おう!!」」」」」

 ここからが、万事屋銀ちゃんの反撃である。