二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.21 )
日時: 2011/03/10 18:34
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第3話 機械? あれだろ、何か……うん。あれだよ。


 真選組。
 今日の祭りについて、何か会議がある様子だった。

「将軍様が出られる祭りだ。かすり傷つけたなら、俺達全員の首が飛ぶぜ。そこは心しておけ」

 土方がタバコをくわえながら、祭りについて説明していた。
 将軍が出られる祭り。真選組はその護衛をする。もちろん、そこには昴も居るのであった。

「副長、他には何かないんですか?」

 真選組の仕事なんてどうでもいいから祭りに参加したいと思う昴は、土方に訊いてみた。
 すると、土方はこう答えた。

「こいつぁまだ未確認の情報なんだが、奴が来る」

「奴? 翔とか、そういうの?」

「違う。あの死神なんかは、将軍の命なんか気にもしていない。奴——高杉晋介が来る」

 誰だ、そいつ? と思った昴であった。

***** ***** *****

 祭り。どんちゃん騒ぎの祭りである。
 しかし、翔達は参加していなかった。理由は、源外の機械を作るのを手伝えと、お登勢に言われたからである。
 銀時はスン、と鼻をひくつかせ、クワッと瞳を見開いた。

「この甘い匂い——綿あめだ!!」

 工具を捨て、一気に駆けだす銀時。
 だが、その後頭部をめがけて、元就の輪刀が突き刺さる。

「何故我にこんな大仕事をさせるのだ。使えぬ駒共がやるがいい」

「黙らっしゃい。これをやらないとまたご飯が水になるぞ」

 翔が脅しをかけるように言った。ちなみに、手には機械の腕を抱えている。
 元就にとってはご飯の事などどうでもいいらしく、地面に座り込んで動かなくなってしまった。
 これを見た翔は、ふと視線を隣に移す。
 その向こうに居たのは、鶴姫と神楽と三郎であった。何か、ままごとをしているらしい。

「かーぐらー、元就がままごとに入れてほしいってよー。入れてやってくれー」

「なっ……?! 翔、貴様!! 何て事を言うんだ!!」

「本当アルか?! 元就、お前はお兄ちゃん役ネ。うん、合っている!」

「おい、我はまだやらないと言って——はーなーせー」

 哀れ、働かない元就は、神楽に連行されて行ってしまった。
 武将達は作業を一時中断し、拝むように元就を見ていた。

「手を動かせ。あいつみたいになりたくなければ働け」

 機械の1体を直し、翔は武将達に声をかけた。
 武将達は慌てて作業に入り、機械を次々に——壊していく。
 政宗はボルトとナットの区別がつかず、幸村と共にボルトナット合戦(IN 河川敷)をし始めた。
 慶次に至っては、面倒なのか孫市を口説き始め、ことごとく断られていた。
 三成は直せないのか初っ端から諦め、ついには刀で機械を全部粉砕してしまう。(その後、翔が責任を持って直しました)
 吉継の方はもう完全に分からない為、ぼーと空を眺めていた。
 お市に関しては、もうシクシクと泣き始めてしまい、魔の手を召喚。なだめるのに大変だった。
 唯一直せたのが、元親と佐助、小十郎と風魔である。家康は寝てる。

「元親に至っては完璧なまでに仕上がってるなー。何? 戦国時代で機械を作ってたの?」

「へへっ。海に島を構えている男は、このぐらい作れないとな」

 照れくさそうに笑う元親。

「まぁ何とか片付いた。お前らが来ていなければ、こんなに手間はかからなかったのになww」

「んだとごら。こっちは粉砕された機械を直すのに大変だったんだぞ。もう少し礼とか——」

 源外は、文句垂れる翔に向かって、お金の入った袋を投げ渡す。
 財布を以て首を傾げる翔に、源外は言った。

「どっかに行って来い。最後のメンテナンスがある」

「……銀時。武将共に祭りの嗜みを教えてこい。俺ぁちっと野暮用を思い出した」

 翔は源外にもらった財布を銀時に投げ渡し、全員を見送った。
 2人だけになった河川敷。もうじき夕方になる。
 そんな空気の中、翔が口を開いた。

「息子。殺されたんだって?」

「……何故それを知っている」

 源外は、低い声で呻くように翔に訊いた。
 当たり前の事を言うかの如く、翔は言葉を続ける。

「死神が人の命を見れないでどうする? 機械で、仇討ちでもしようとするのかい?」

「うるせぇ。死神が、そんなに人に干渉してどうする? 聞いたころがあるぞ、お前の事」

 作業をしながら、源外は翔に言った。

「攘夷戦争に駆り出された死神、その手で何人の人を殺した? 感情のないお前には、人を殺すなんて、造作もねぇ事だろうよ」

「……何人殺めたかね。もう忘れちまったよ。自分で逝かせた人なんて」

 舌打ちをするように、そして悲しげに翔はその場を去った。
 橋を見上げれば、そこに居たのは包帯を巻いた、紫色の着物を着た青年。

「高杉、晋介——?」