二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.22 )
- 日時: 2011/03/12 15:33
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第3話 機械? あれだろ、何か……うん。あれだよ。
祭りは大賑わい。天人、人間関係なしに楽しんでいる。
もちろん、神楽と新八、そして武将達もそこに居た。
「あ、おじちゃんだー」
「げっ。あの激辛チャイナ娘……!!」
神楽は焼きトウモロコシをくわえたまま、屋台に居るおじさんを指した。
射的の屋台に居るのは、長谷川泰三。現在無職のグラサンおじさんである。
何故神楽が長谷川さんを知っているのかは、コミックスの3巻を読もう。書く予定は一切なし。絡みどころがない。
「射的ですか、やって行こうかな」
「射的? 射的とは何だ」
傍で興味ありげに、孫市が新八に訊いた。
新八は武将達に分かりやすく、「景品を銃で撃って、落としたらもらえるんですよ」と説明した。
その説明をどう取ったのか、孫市はおもむろに自分の銃を引き抜き、後ろの景品棚に向けて撃った。
ガンッ!!
当たって落ちるどころか、景品が粉々である。
見ていた長谷川さん、グラサンから眼球が飛び出してた。何で?
「粉々になってしまったな」
「当たり前だ!! 誰が火薬の入った銃で撃てと言ったよ?!」
「む。誰だこのうるさい輩は。頭を撃ってほしいか?」
射的で何をやっているんだ、孫市さん。
そんな3人を遠目から見ていた翔は、小さなため息をついて綿あめを口に運ぶ。
自分の少ないお金でも、綿あめは買える。後は脅して大きく作ってもらえれば最高。
そこへ、家康がやってきた。何故か三成を連れて。
「おう、仲がよろしいようで何よりだ。何だ? 踊るの?」
「踊る訳がないだろう。こいつをどうにかしろ」
三成の助けを求める声を鮮やかに無視して、翔は彼方に見える舞台を見上げた。
今は舞妓の踊りが演じられている。次にやるのはおそらく——。
「まさか、な」
「何がまさかなんだ? 何か起こるのか?」
「いや。何でもねぇよ、何でも」
翔は苦笑いを浮かべ、家康に綿あめを押しつけた。
首を傾げる家康。綿あめが雲にでも見えたのか、「翔が雲を食べてた!!」なんて叫びだした。
「それ、食っていいから。じゃな!!」
「あ、翔?! どこへ行くんだ!!」
人混みを駆けだす翔。
後ろで家康が自分の名前を呼んでいるが、気にもならない。今やらなければいけない事、それは。
源外を止める事。
舞妓の踊りが終わり、空には花火が上がる。
祭りの舞台に立ったのは、袴姿の源外だった。
***** ***** *****
「なぁんか、匂うんすよね」
木の上でグダグダしながら、昴はつぶやいた。
今は1人。見回り中だが、途中で飽きたらしく木の上でサボっているようだ。
隊長である沖田はどこかに行ってしまったし、土方と近藤は将軍を守っているらしい。
「火薬とかそんなんじゃなくてさー。どう思うよ」
1人のはずの昴。だが、昴は闇に問いかけた。
ザザッとノイズみたいな音がする。まるで、昴の問いかけに答えたようだ。
音を聞き、昴は自然と笑みをこぼす。
「そうだよなァ。ちょっと行かないとまずいよなァ。でも、面倒」
昴は立ち上がり、祭りがやっている方向に視線を投げた。
祭りでは、源外による機械演技が始まろうとしていた。
「面倒くさがりなのは、翔だけで十分だよ」
闇の中から、雫が姿を現した。
昴はため息をつき、木の上から飛び降りる。そして大きく伸びをして、地面を蹴った。
夜空に飛び上がる。鮮やかな茶髪が宙を舞い、姿を消した。
雫は昴が居たの方向を見やり、呆れたような表情を浮かべる。
「刀も持たない真選組さん。一体どこへ行ったのやら」
その時、遠くから悲鳴が聞こえた。
祭りの悲劇が、今始まる————