二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア—銀魂×戦国BASARA3— ( No.23 )
- 日時: 2011/03/13 16:30
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第3話 機械? あれだろ、何か……うん。あれだよ。
大砲の音と人の悲鳴。
祭りは大騒ぎ。源外の逆襲のせいで。
「何でてめぇがここに居るんだ?」
「良いから黙って見とけよ。息子を殺された親父の、仇討ちが始まるんだからよ」
銀時は、高杉に後ろを取られて動けなかった。
背中に感じるのは、冷たい刃の感触。どうやら刀を背中に押しつけられているらしい。
「てめぇがあいつをけしかけたのか?」
「けしかけた? 馬鹿を言うな。牙が見えたから研いでやっただけさ」
高杉は笑って銀時の問いに答えた。
表情の固まる銀時。高杉に対して、何を思ったのか。
「俺の中でも黒い獣がのたうち回っているからな」
「獣、か」
すると、銀時の腕が高杉の刀を押さえつけた。しかも素手で。
血を流していたが、刀はびくともしなかった。
「俺も獣ぐらい飼っているもんでな。え、名前?」
銀時は振り向いて、高杉に向かって拳を振り上げた。
「2人居るんだよな。定春って言う化け犬と、翔って言う死神さ」
——銀時。後で翔に殺されるな。
拳は高杉の鳩尾にヒットした。(漫画ではこんなのありえません)
***** ***** *****
将軍を守ろうとして、真選組は刀を振っていた。
戦場の中心で戦っていた土方と近藤。しかし、悲劇は起きる——。
「ああぁぁぁ!! 名刀虎鉄があぁぁぁ!!」
近藤の愛刀である、虎鉄が機械に折られてしまった。しかもその刀、おニューらしい。
そんな叫びを、土方は落ち着いた様子でなだめる。
「チッ。切っても切ってもわいて出やがる……!!」
土方でも苦戦している様子だった。
その時である。
近くで爆発音がして、煙が立ち上がった。現れたのは、沖田と神楽。そして武将達である。
「祭りを邪魔する悪い子は〜〜」「だ〜〜れ〜〜じゃ〜〜」
「Ha!! 喧嘩だぜ喧嘩。相手は機械だ!!」
武将達、テンションマックスで機械に切りかかる。
もう祭りはドンチャン騒ぎ。いや、騒ぎじゃなくて一種の戦争。
源外は三郎の腕に弾を込め、将軍の居る櫓に狙いを定めた。
「平賀さん、何をしているんです」
新八が、源外の前に現れた。櫓を守るように、三郎の前に立つ。
源外は舌打ちをかまし、新八を睨みつけた。
「将軍はとっくにお逃げになりました。見えませんか?」
「そーかい。目が悪くなって、もう何も見えやせんがね」
源外は真選組に狙いを定め直す。今度は真選組を狙うらしい。
「平賀さんッ!!」
「よぉっす」
新八の声が終わると同時に、三郎の腕に昴が降り立った。つーかどこから現れた。
昴を見た源外の瞳が怪訝そうに細められる。
「何をしているんだ小僧。早くどけ」
「どかねぇよ」
舞台に現れた、埃まみれの黒装束。手には身の丈を超すような大きな鎌。
万事屋の死神——翔である。
「炎の死神か。お前も俺を邪魔しに来たのか?」
「原作をブチ壊しかねないけど、銀時が来ないんでな」
ため息をつくように答えた翔は、手に持っていた大鎌『炎神』を構える。刃からは、三郎を焼かんばかりの炎があふれ出した。
昴は翔の気を察したのか、新八を安全な所に誘導する。
「翔——さん、」
「新八君。心配するなよ」
ポンポン、と昴は新八の頭を軽く叩く。
身長が同じ——本当に真選組の1番隊副隊長なのだろうか。どこかそんな感じはしないが。
「どうせあいつは、三郎を壊すつもりなんてないさ」
次の瞬間、昴は三郎に向かって駆けだした。
翔は昴をよけるように飛び上がり、舞台下で暴れる機械を止めにかかる。
あの炎はフェイント——そう。本当は昴が攻撃するのだった。
「舞技(ぶぎ)——闇」
ザザッとノイズみたいな音がして、昴の足に闇が集まる。
「闇解(あんかい)ッッ!!」
そのまま前に蹴りだす昴。
ボキッと音がして、機械に穴が開いた。
「三郎ッ!!」
源外は、穴の開いた三郎を抱き起こす。
すると、三郎が喋り出した。「御意」以外の言葉で——。
「お、やじ。油まみれに、なって……楽しそ、に。からくり、やって、る。あんたが——好きだっ、た」
そこで音声が終わる。
ゴーグルの下で、源外は泣いていた。かすれた声で「ちくしょう」と何度も連呼して。
「やり直しは効くさ」
機械を団子のように串刺しにした翔が、新八に向かって言った。
瞳は、やけに悲しそうで——。
「長生きすれば、な」
「へぇ。……平賀源外って指名手配されたんだ」
青空の輝く江戸。日よけに傘をかぶった怜悟が小さくつぶやいた。
隣には団子を平然とした様子で食べている、シノの姿が目に入る。
「翔達が何かやったらしいね。指名手配仲間さん」
「……何もやっていない」
どうだか、とつぶやいてシノは団子の串を吐きだした。そして視線を道の端へ移す。
そこに居たのは、小さなおもちゃの機械を売る源外の姿だった。
「楽しそうで何よりじゃん」
「……だな」