二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-オリキャラ募集 ( No.32 )
日時: 2011/03/18 19:26
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第4話 ほくろに毛があると幸せになれるって本当ですか?


「「「どっりぃぃぃむきゃっちゃぁぁぁぁぁ!!!」」」

「あーあーあー、違う違う。心がこもってない!!」

 夢幻教の道場で、銀時、神楽、翔の3人が掛け声の練習をしていた。
 天パじゃない銀時。ショートカットの翔。何か想像すると変である。

「心がこもってないだと?! 俺に心があるかぁぁ!」

 心がこもってないと言われ、翔は教えてくれた人に飛び蹴りを叩きこむ。これで本日、三途の川を(強制的に)見せた人は5人。
 銀時と神楽も翔を真似して、構わず攻撃を仕掛けていた。

「おいおい。仲間同士で喧嘩を始めたぞ」

 道場の隅で暇そうに見ていた政宗は、呆れたようにつぶやいた。
 見れば翔と神楽が、本気になって喧嘩をしている。どちらが先に喧嘩を吹っ掛けたのか分からないが、とにかく2人とも本気だ。
 隣に居た小十郎は、止めるべきか止めないべきか迷っている様子だった。

「……何か、怪しいんだよね」

 唐突に、佐助がぼやいた。胡坐をかき、頬杖をつきながら。
 何が怪しいのか、と幸村が訊くと、佐助が理由を話してくれた。

「銀さんの願いも神楽ちゃんの願いも、そして翔の願いも。全部安っぽいじゃないか。何で俺様達の願いは叶わない訳?」

「もう叶っているのではないか?」

 家康がドリームキャッチャーの構えをしながら、すがすがしい表情で答えた。
 いや、何でやってるんだよ。新しい宗教に興味津々か、お前。
 ならやってろよー。俺、もう助けないよー。

「あー、考えていても始まらない。俺様、探ってくるよ。行こう、風魔」

「……(こくり)」

 風魔を従え、佐助は風と共に消えた。
 相も変わらず翔と神楽は喧嘩をしていた。翔は炎神、神楽は番傘まで取り出してきてヒートアップ。
 最早ここは戦争状態。一体どうすればいいのだろうか。

「あいつらどうするよ」

「どうも出来ぬ。しばらく様子を見るでござる」

「どっりぃぃぃむきゃっちゃぁぁぁぁ!!」

「家康ぅぅぅうう!! お前は戻ってこいぃぃ!!」

 こっちもこっちで内乱戦争になりつつあった。

***** ***** *****

 とあるトイレ。
 鏡の前で銀時は、自分の頭と葛藤をしていた。もちろん、髪の毛を引き剥がす為である。
 すると、ブチブチという音がして銀時の髪の毛が抜けた。
 そう——銀時の髪の毛はヅラだったのだ。

「あいてー。ご丁寧に接着剤まで付けやがって……」

「銀時。どうだ」

 トイレの個室から出てきた翔は、首を傾げた。髪の長さは、いつも通りの長い黒髪に戻っている。
 頭についていたヅラを手で弄び、銀時は面倒くさそうに訊いた。

「お前、髪の毛どうなったんだよ。髪はそんなに早く伸びませんよー」

「俺は特別なんだ。何か、髪を切ってもすぐ伸びてくる。試そうか?」

 翔は炎神で髪をバッサリ切った。そして数秒置くと——バサッと生えてきた。
 イッツ・ミラクル・マジック☆

「銀ちゃん、翔。情報つかんだネ」

「神楽。ここが男子便所って分かって来てるのか?」

 そこへ、男子便所に入ってきた神楽が、トムについて説明をする。
 トムは何度か、民衆の前で夢を叶えているらしいが、どれもしょぼい夢ばかりらしく、簡単にかなえられてしまうと言う訳だ。
 夢を一瞬のうちにかなえさせてやる事の出来るのは——

「忍びか? 佐助とか、風魔とかのような」

「ありえないだろー」

 その時である。
 ガチャリ、と忍者らしき奴が出てきた。何かお尻を抱えて、苦しそうにうめき声を上げる。

「あいつつつ……。また血ぃ出ちゃったよ。ここ、ウォシュレットないもんな」

 トイレから出て行くと同時に、翔の瞳が輝いた。


 一方、妙や雫、花子達の方は——。
 トムに反逆者と言う事がばれて、縛りあげられて公開されていた。磔刑……というものか。

「裏切り者だあぁぁぁあああ!!!」

「いたッ! てめ、顔に石ぶつけてきたな。後で殺す!! みな殺す!!」

「騙されてはダメ!!」

「この野郎、後で全員血の海に晒してやる!!」

 女の子3人が縛られて石を投げられていると言うのに、武将達は動かない。
 それどころか、何か視線が泳いでいる。

「あははは。君達は信じているんだね、偉い子偉い子」

「フン、誰がこんなインチキ宗k——むごぉ」

「ハイお約束だぜ」

 元就が何かを言おうとしていた瞬間に、元親が慌てて口を塞ぐ。
 とばっちりでこっちまで石を投げられる羽目になった武将達。孫市がブチギレ、銃を取り出して民衆に向け出した。
 刹那、銀時、神楽、翔の3人が何かを抱えて舞台に上がってきた。

「翔!!」

 雫が嬉しそうな声を上げる。頭からは血が流れていた。
 翔は手に持っている物を投げ捨て、炎神を抜いた。刃からは全てを焼かんとするような炎があふれ出す。

「こいつは忍び——お庭番から外された野郎だ。お前ら全員騙されてるぞ!!」

 種明かし。そして翔は雫の縄を外す。
 自由になった雫は、懐から銃を取り出して民衆に向け始めた。流石に止められたが。

「と言う訳で、あのー何ちゃらトム。お前、処刑☆決定」

 黒い笑顔を浮かべた翔は、炎神をトムに向かって振り上げた。


※次回、第5話はオリキャラ2人を交えて皆で下着泥棒を退治しようです。