二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.55 )
日時: 2011/03/21 20:01
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第5,5話 怖い話って案外怖くないんだよ。


 万事屋銀ちゃん。は、いつも通りグダグダだった。
 特に主人公ともあろう奴、翔が1番グダグダだった。本人曰く、仕事が面倒らしい。

「どうでもいいけどさ、万事屋の旦那に言われてるんじゃないの? 仕事しろって」

 洗濯物を畳みながら、佐助はソファの上でサボる翔に訊いた。
 だが、翔は面倒くさそうに寝返りを打っただけである。どうやら寝ているようだ。

「まったく……。いい加減起きてよ・ね!!」

「痛ッ!!」

 佐助は翔に向かって手裏剣を投げつけた。
 激痛で飛び起きる翔。頭からは滝の様な血が流れ出ていた。
 おい、何だこのスプラッタ。もうこの1行でホラー小説確定するなよ。

「働きなさい!」

「ハイ、オカン」

「オカンじゃなくて、働いてっての! まったく、今日のご飯も山菜じゃん」

 家計がヤバいなぁ、なんて主婦発言している時点で、お前はもうすでにオカンである。佐助よ。
 翔はのん気に欠伸をかまして、だるそうに席を立つ。
 和室の部屋の襖を開き、中に居るであろう家康に声をかけた。

「久々に遊ぼうぜー」

「何して遊ぶんだ? またぷろれすごっことか言う奴か?」

 プロレスと言うか、お前はボクシングのはずだ、と翔は思うが口には出さなかった。
 ちょうど暇をしていたらしく、家康は2つ返事でOKを出してくれた。
 と、その時。

「しょぉおおおおぉぉおおおう!!!!」

 全てをひっくり返すような、そんな絶叫が皆の鼓膜を震わせた。
 直後、ドアを粉砕して飛び込んできたのは半泣き状態の昴であった。一体何があったのだろうか。

「頼む、助けてぇ!!」

「一体何があったんだよ」

 今まさにプロレスを始めようと身構えていた翔は、いきなり泣いて飛び込んできた昴に訊く。
 鼻水を隊服で拭い、昴は枯れた声で言葉を紡いだ。

「……土方を負かせてください」

 依頼内容じゃなく、何があったのかと訊いたのだが。
 すると、後ろから同じ隊服を着た栗色のセミロングの少年が入ってきた。

「副隊長は、土方さんに怖い話で負けたらしいんでさァ」

「……つーか、誰お前」

 少年を指で差し、翔は訊く。

「俺ぁ風月春夜。1番隊隊員でさァ。よろしくなァ」

 沖田のように笑う春夜。翔と同じような感じだ。
 ふーん、と興味無さそうにうなずいた翔は、泣く昴の頭を2、3回ポンポンと叩く。

「で? 昴は怖い話に負けた——と。何で怖い話なんかしてんの」

 昴は泣いている為、春夜が事情を話してくれた。
 実は、真選組で誰が1番心が強いか、それを怖い話で試していたらしい。
 それに土方も急に参戦して、超怖い話を聞かされたらしい。
 半泣き状態なのはあまりにも怖くて泣いたらしく、春夜が居る理由は付添だとか。
 ……しょうもない事をしてるな。真選組ぃ。

「そんなとこでさァ。まぁ、何とかなりませんかねィ」

 隊長も業を煮やしているんでさァ、と言葉を続ける春夜。
 そんな時、翔の頭の中に何かがよぎった。

「だったら……こっちも怖い話で対抗してやろうじゃないか。凜に電話をかけろ。あいつに怖い話のネタを聞く」

 元就が受話器を取り、凜に電話をかけ始めた。
 何やら元就がイラついているようだが、まぁそこは気にしないでおこう。

「よっし、俺が直々に土方をぶちのめしてやるか」