二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.58 )
日時: 2011/03/22 14:46
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第5,5話 怖い話って案外怖くないんだよ。


 万事屋銀ちゃん。
 の、インターホンを連打する銀髪少女。一瞬シノかと見紛う程に透き通った綺麗な銀髪である。

「ぎ〜ん、しょ〜う。遊びに来たよ〜」

 へんじがない。ただのしかばねのようだ。
 少女は首を傾げて、そして数歩後退する。
 何をするのかと思えば————ドアに向かって飛び蹴りをした。

「てぃや!」

 バキッという豪快な粉砕音と共に、少女は部屋に転がり込む。
 誰もいない。どうやら出掛けているようだ。

「何だ。誰もいないのかぁ」

「ねぇ君。ドアを飛び蹴りで壊さないでくれるかな」

 破壊音で目覚めた雫は、少女に銃を突き付けて言う。
 両手を挙げ、笑う少女は雫にお金を差し出した。

「とりあえずこれでドアを直してください。後、銀と翔がどこに逝ったか知りません?」

「字が違う、字が違う。死んでないから翔と銀さんは」

 あれ? と首を傾げる少女。自分の台詞を確かめて、あーヤバイ、とひとりごちた。
 雫は呆れたような表情を浮かべ、銃をしまう。そして少女に訊いた。

「君みたいな美人さんがあのズボラな2人に何か用?」

「んーとね、遊びに来ただけかな?」

 少女、未月燐菜は笑って見せた。

***** ***** *****

 真選組、屯所。
 暗い部屋の真ん中には、1本の蝋燭が立てられていた。
 部屋に居るのは、土方と沖田、昴、春夜の真選組メンバーに、銀時と新八、神楽、翔という万事屋メンバーに武将達。そして何故かそこに凜の姿があった。

「さて……始めるかァ?」

 土方は不敵に笑い、翔に視線を投げる。
 依然として冷静な翔は、「どうでもいいが、始めろ」と言った。その後ろで、銀時がメチャクチャ怯えていたが。

「……これは、昔の出来事なんだけどよ」

「すみません。昔ってどのくらい昔ですか?」

 凜が口を挟む。
 いきなりの質問に、土方は返答する事を迷った。
 まぁ、迷って当然だと思う。

「かなり昔だ」

「それじゃ分かりません。もっと正確に、西暦まで言って下さらないと」

 にっこりとした笑みを浮かべて言う凜。まさにドSの化身。
 翔は凜に「上出来だ」というアイコンタクトを送った。「当然よ」と返ってきたが。

「じゃぁ仕方ない。俺が話をする事にしよう」

 偉そうに胸を張り、翔が言葉を紡ぎ出す——。
 瞬間、強烈な破壊音と人の悲鳴が全員の耳に行き届いた。

「な、何だ?!」

 小十郎が襖を開けると、真選組の庭に居たのは————


「あ、銀と翔だぁ。見つけたぁ」


 燐菜だった……。
 しかも、塀を蹴り1つで壊したらしく、大きな穴がご丁寧に開いている。
 誰が直すと思ってるんだ。

「雫ちゃんに訊いたら、ここに居るって聞いてね。来ちゃった☆」

「来ちゃったじゃなくて。その壁、誰が直すんだ?」

 話す前に、何故だか疲れた翔であった。