二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.62 )
日時: 2011/03/26 16:48
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第6話 海の家で売っている焼きそばは、大体もっさりしている。


 夏である。蝉時雨が鳴り響き、うだるような暑さが体を包み込む。
 ちなみに万事屋銀ちゃん、エアコンという代物が存在しない。存在するのはゴリゴリ君だけである。
 翔は着ている死神装束の袖をまくり、長い黒髪をポニーテールにして、天井を向きながらゴリゴリ君を頬張っていた。

「……おーたに」

 最早暑過ぎて喋る言葉もひらがなになりつつある翔は、吉継の名を呼んだ。
 へろへろの声で「何だ」と返ってきた。

「今、何度だ」

「……おそらく、36度」

 フラフラになっている吉継は、フローリングにべったりと張り付きながら答えた。
 翔は「そうか」と短く返事をして、また黙る。
 直後、絶叫。


「あっっっっっちぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいいい!!!!!!」


 死神装束を脱ぎ捨て、下に穿いているズボンだけになると、翔は団扇でバタバタと自分に風を送る。
 団扇で作る風なんか涼を取るには足らない代物である。扇風機は熱中症になりつつある鶴姫とお市が、今は独占中だった。

「何で夏はこんなにも暑いんだよ! 汗が止まらねぇ!」

「いいじゃねぇか、夏は男のロマンだか何だかと言うだろうが!」

 上半身裸でしゃきしゃきと動く元親は、何故だか幸村よりも暑苦しく思えてきた。
 ……あ、ヤバイ。ゴリゴリ君が戻りそう。

「暑いしやってらんねぇよ。乳首透け太郎が!」

「透けてない! まだ!」

「まだかよ、まだかよ?! 透けてないと言え、ちゃんと!」

 完璧にボケる元親に、新八並みの電光石火のツッコミをする翔。疲れたのか、ソファの上にへたりと力なく座り込んだ。

「くっそー、三成自然エアコンは持って30秒だもんなー」

「誰が貴様のエアコンだ」

 フローリングで家康の仲良く張り付いていた三成は、身を起して翔に抗議をした。
 ちなみに、三成は冷え性と言う設定である。だから自然エアコンな訳であるが、この暑さだと30秒も持たない気がする。

「うるせぇな。冷たい野郎が、エアコンになれ!」

 翔は無理難題すぎる命令を、三成に向けて言い放った。
 この命令に呆れたのか、三成はそっぽを向いてため息をついた。思考→何、こいつ。
 その時だ。

「翔ちゃぁぁぁあああん!!」

 ドアをぶち破って入ってきたのは、雫と神楽の2人である。
 翔は思わず飛び起きてしまった。

「何だよ何だよ?! つかお前、今月でドア何枚壊した?!」

「それより、これ見て!」

 雫は1枚の新聞を、翔に見せた。
 ドアをブチ破ってそんな事扱いされた翔は、少し機嫌を悪くしながら新聞を見る。
 見出しは『海に謎のエイリアン発生?!』と書かれていた。

「で? 謎のエイリアンが海に出たと」

「それでね、エイリアンを倒したら賞金がもらえるんだよ!」

 雫が嬉々として語る。
 賞金————その言葉で、翔の中にある謎のスイッチが入った。
 ソファから立ち上がり、武将達が屍と化している部屋の襖を思い切り開き、こう叫んだ。

「海でエイリアンを釣るぞ!!」

 と言う訳で、万事屋銀ちゃんの夏はエイリアン1本釣りに決定した。