二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.63 )
- 日時: 2011/03/27 11:06
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第6話 海の家で売っている焼きそばは、大体もっさりしている。
蜃気楼が見えそうな程に暑いコンクリート道路。その上を、ぞろぞろと団体様が歩いていた。
銀髪、黒髪、赤髪、茶髪、青髪——全員万事屋メンバー+αである。
「おーい、海はまだか」
銀時は額の汗を拭い、上に浮いている吉継に声をかけた。
返ってきた答えは「まだ」だった。どうやら、歩いて海は相当きついらしい。
「昴めぇ、連れて行ってくれりゃぁいいのによ」
雫が恨めしそうに、昴の名前を口にする。
昴は光の速さで走る事が出来るので、海に行くなんて3秒あれば出来るのだ。
しかし、当本人は真選組の仕事がある。今日は非番じゃないらしく、しかも仕事が山ほど溜まって大変なんだとか。
何か沖田がサボりにサボりまくって仕事を溜め、それを部下が一生懸命消費しないと減給になるらしい。それだけは免れたい為、昴と春夜は仕事を片付けていると言う事だった。
「仕方ねぇだろうが。あいつにだって仕事はあるってもんだ」
暑い、とつぶやいて、翔は手で風を作りながら歩く。
「死神のくせに体力ないですねぇ。私は平気ですけど」
ルンルン気分で歩く金髪、ミウは翔を嘲笑いながら言葉を紡ぐ。
彼女、馬鹿だから暑さを感じないのだろう。後ろに居るシノは、暑さにやられてばてている。
「じゃぁ、その辺の植物に訊いて、海まで何キロか吐かせろ」
暑さで口調が乱暴になっている翔は、ミウに命令した。
言い方が気に食わなかったのか、ミウは渋々翔の命令に従う。近くにあった雑草に声をかけた。
「……後、海まで3キロぐらいです☆」
「その星がうぜぇ。消えろ」
「あ、見て!」
妙が向こうを指して、嬉々とした声を上げる。
視界に広がっていたのは、青々とした海。キラキラと輝き、空にはカモメが飛んでいる。
やっと着いたのだ。海に————!
***** ***** *****
海の近くに建つ、海の家。そこに居たのは、白髪をリーゼントにしたおっさんだった。
両手に焼きそばを作る為のへらを握り、おっさんは翔達に問う。
「え、何? 君ら、本当にえいりあんを退治してくれるの?」
何か、意外そうな声だった。本当に来ちゃったよこいつら、みたいな声。
嫌な予感がして、翔はおっさんに問いただす。
「俺らは、お前がえいりあんを退治したら賞金をくれるっていうから来たんだ。まさかとは思うが、賞金は用意されていないな?」
「うん。だって、あれ酒の席で言っちゃっただけだし」
よし。こいつは半殺しだ。
翔は、後ろに居る全員にアイコンタクトで知らせた。
全員は内容を理解してくれたらしく、武将達なんかは武器を装備した。
自分の命が危ない、とでも察したか。おっさんは今まさに攻撃をしようとしている皆にストップをかける。
「待って待って。賞金じゃないが、代わりの物を用意するよ!」
「どうせお前はこんなもっさりした焼きそばしか作れないんだろうが、ハイ言ってみろヨ。もっさり〜」
売り物である焼きそばを口に含めながら、神楽はおっさんに言った。
「代わりの物ならあるから! だから、ちゃんとえいりあんを退治してくれよな!」
おっさんはそう言って、店の奥に入って行った。
そして取り出して来た物、それは————。
「これ、は……。海の侍?」
Tシャツだった……。