二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.64 )
- 日時: 2011/03/28 13:13
- 名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)
第6話 海の家で売っている焼きそばは、大体もっさりしている。
男性陣は、浜辺で体育座りをしながら遠くの海を眺めていた。もう目が死んでいる。
ゴリゴリ君を1番早く食べ終わった翔は、棒をがじがじと噛みながら海に磔刑されているおっさんに目を向ける。
「おーい、君達。こんな事をしていていいと思っているのかー」
おっさんは自分を解放するように男性陣に言うが、そんなの聞く気なし。
というか、翔が三成に命令して「木端微塵にして魚のえさにしよう」と言いだした。
三成は珍しくその意見に賛成して、自分の武器である刀を手に持った。流石に銀時に止められたが。
「おっさんよォ、金払う気ねぇならそう言ってくれれば半殺しで済んだのによ」
翔は口にくわえていた棒を手に持ち替え、おっさんに向かって投げつけた。
スコンッと軽い音がして、おっさんの顔にジャストヒット。得点10点入りまーす←
「……それにしてもよ」
銀時は小さく、そして力なくつぶやいた。
視線の先に居るのは、水着に身を包んだ女性陣。水辺で楽しそうに遊んでいる。ただし、銀時の隣に居る神楽は例外である。
「何でこうも女性陣はスタイル良い奴が勢ぞろいしてるんだ?」
「おい銀時、孫市をエロい目で見るな」
慶次が銀時に向かって叫んだ。
見てねぇよ、と銀時は慶次の言葉を軽く流す。
「暑いなー、すんごい暑い。俺、泳いでくる」
翔は浜辺から立ち上がり、死神装束を脱ぎ捨て華麗に海へダイブした。
俺も行く、と後から政宗と元親が駆けだしてダイブする。いつの間にかえいりあん退治なんていう仕事も忘れ、海水浴を楽しむ一同。
「あれ、大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃないでしょ。えいりあんっていう謎の物体を倒しに来たのに、別の目的が出来上がったよ」
佐助が呆れたように言った瞬間、幸村が「お館様あぁぁああ!!」と雄叫びながら海へと飛び込んで行った。
馬鹿の人数が増えたのか、4人で誰が1番速く泳げるかを競おうと話している。
何か、こっちが疲れてきた。
「あ。あれ、何スかね」
新八が唐突に声を上げ、海の向こうを指差す。
海からは、鮫みたいなひれが飛び出していた。岩のような感じもしたが、どこか違う。
……えいりあん?!
「お、お前ら! 後ろ、後ろ!」
「政宗様、後ろです!」
銀時と小十郎が水泳対決を始めようとする馬鹿4人に叫ぶ。
翔が面倒くさそうに後ろを振り向いた、その瞬間。
えいりあんが磔刑にしたおっさんをくわえて、こっちに向かって飛び上がってきた。
「「「「ああああぁあぁああああぁぁぁぁあ?!!!」」」」
急いでクロールで浜辺まで逃げる4人。
浜辺、そして全員の前で膝をつく姿はとても疲れているようだった。
「し、し、死ぬかと思ったぜ」
元親が青い顔で、声を震わせながら言う。
翔、政宗、幸村はその言葉に無言の賛成をした。
えいりあんは4人が浜辺に行ってしまった為か、今度は女性陣を狙おうと泳ぎ出した。おっさんをくわえたまま。
「お前ら、危ねぇ!!」
翔が叫んだのが聞こえたのか、雫はえいりあんの方向を見やった。
全員の表情が、見る間に青く染まって行く。
「うわあぁあああ?!」
絶体絶命かと思ったら、銀影が通りすぎた。
もちろん、その影はシノである。手にはきちんと、武器であるフープが握られていた。
「飛んで行けわりゃあぁぁああああ!!!!」
フープを振り、えいりあんをかっ飛ばすシノ。
が、あまり飛ばないと言う予想外な出来事が起きたので、シノはもう1発えいりあんに叩きこもうと沖へ向かって行った。
その時だ。海から人が出てきて、えいりあんの前に立ちはだかった。
雫よりか濃い海のような青く長い髪。深海色の双眸が、シノを睨みつけている女の子だった。
「危ないよ。その子、退治しなきゃならないから」
「……ダメ」
女の子は、シノの言葉に首を横に振る。
じゃぁ無理矢理通ろうと思い、シノは女の子を振り切ろうとしたら今度はミウに止められた。
「ミウ?! もう、一体何なの?!」
「その子、危なくないですよ!」
「ハイ?」
ミウの言葉に、シノは危うくフープを落としかけた。
女の子は静かにうなずくと、えいりあんを愛でるように撫でまわす。
気持ちよさそうに目を細めるえいりあんは、まるで子犬のようだった。
「遊びたかっただけみたいです」
やっと納得した。この子は、優しいエイリアンなんだな、と。
***** ***** *****
執務中の昴と春夜の前に、雫に良く似た女の子が現れた。
何故この子が真選組に来たか、それは女の子が新しく入る真選組のメンバーだからである。場所はちゃんと翔に教えてもらった。
「えーと……。君、誰?」
昴はペンで指しながら、女の子に問いかけた。
「……青龍希実です。今日から、真選組でお世話になります」
「……女の子が入るなんて思わなかったぜィ」
春夜は苦笑を浮かべながらつぶやいた。
何故だか、昴の身に疲れが落ちてきた。きっと、仕事で疲れたのだろう。
そんな彼らの元に、1枚の新聞が落ちた。見出しはこう。
『大繁盛! 海の家のえいりあん!!』