二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 炎神暴君★リシタニア-銀魂×戦国BASARA-質問大会中 ( No.84 )
日時: 2011/04/04 17:44
名前: 山下愁 ◆kp11j/nxPs (ID: GlvB0uzl)

第7話 記憶喪失に負けず、叩けば直る。


 ジャスタウェイ生産工場『マムシ工場』前、真選組が全員集合して工場の奥を見ていた。
 昴は用意された大筒の上に乗り、工場を観察していた。
 実は、工場の中には密偵であり仲間でもある山崎退が居るのだ。まぁ、昴にとってはどうでもいいが。ただ『あ、居たなそんな奴』ぐらいしか覚えていない。

「……副隊長、どうですかィ。山崎見えますか?」

「んにゃ、全然。暴発起きたから見に来てみたら、山崎は見えないしどこに居るんだあの密偵」

 昴は目を細くして、工場を凝視していた。
 隣に居た春夜は、とりあえず仲間に被害が及ばないようにとドーム状のバリヤーを張っている。
 ジャスタウェイの暴発によりコンクリートがさっきから飛んできてとても怖いのだが、この際言わないでおこう。

「あれ、山崎死んだなこりゃ」

「土方さん。あんたも相当キテますぜ。死ぬんじゃないんですか?」

 沖田と土方は、暴発する工場を見ながら言った。
 昴は舌打ちをして、春夜と希実の方を見る。

「あれ見えるか、あれ。大筒だ」

 昴が指を差した方向には、巨大な大筒が工場から覗いていた。
 その前——看板の所に、3つの人影が見えた。銀時、近藤、山崎の3人である。

「でぇぇえええ?!! あ、あいつ局長を盾にしてやがる?!」

「許せません。ちょっと全滅させてきます」

 青い髪を翻し、希実は春夜の張ったバリヤーから外へ出る(バリヤーは外からの物理攻撃ははねますが、中から外へ移動するのは通り抜けられます)
 昴はそんな希実の襟元を掴み、自分の元に引っ張ってきた。
 自分のせいで部下が死んで行くのは見たくない。

「死にたいなら行けばいいんじゃないですかィ? 俺ァ止めませんがねィ」

「何を言いますか。私は死にません、あなたが死ぬんじゃないんですか? 隊長とキャラがかぶっていますし」

「お前それ、言ってはならん事を……。上等だィ、表へ出ろィ!!」

「もうすでに出ていますが? 何を言っているのでしょう、この人は」

 昴を挟んで舌戦を繰り広げる2人。
 言い争いを無視して、昴は向こうに居る3人を見やった。
 一体何故、近藤と銀時が居るのだろうか。だとすると、この中に万事屋メンバーが?

「んな訳ねぇだろうが」

 と、突然翔の声が降ってきた。
 上を見上げれば、翔がバリヤーの上で胡坐をかいて欠伸をしているではないか。

「俺はいくら何でもこんな奴らには騙されないぞ。シノだってもう少しまともだ」

「どういう意味だコラ!」

 横からシノが翔に向かって石を投げていたが、そんな事はどうでもいい。
 昴は春夜と希実を連れて外へ出た。
 シノとミウ、怜悟や雫に凜、燐菜までもここに居た。

「銀さん、信頼されているなー」

「俺は別にどうでもいいけどな」

「あはは、ツンデレ」

 昴はけらけと笑い流し、そして前を見つめた。
 あー、何か銀時が地に転がっていて、新八と神楽が居るなー。なんて。
 今にも相手が大筒を撃ってきそうなんですけど?!

「春夜。あれ、バリヤーで防げるか?」

「無理ですねィ」

 即答でハハッと笑いながら返す春夜。昴はため息をついた。
 すると、翔達は神楽、新八の隣に立ち、銀時を守るように1列に並んだ。

「こいつだけは撃ったら困るぜぇ。万事屋のオーナーが俺になるよ?」

「そうなったら、万事屋翔ちゃんだよねww」

「……凜。笑うな馬鹿」

 そんな皆に、銀時は声をかけた。

「な、何故あなた方は……ここに?」

「うるせぇ黙れ何も喋るな」

 翔は鎌を抜いた。昴は宙へ飛び、気だるげに欠伸をした。
 雫は銃をベルトから引き抜いた。シノはフープを組み立て、構えた。
 怜悟は刀を抜き、片手で持ちあげて戦闘準備に入った。ミウはシノと同じようにフープを構えた。
 凜は腰を低く落とし身構えた。燐菜はにっこり笑顔から真面目な顔へ変えた。
 春夜は自分の刀を抜いた。希実は双剣を構え、小さなため息をついた。

「好きでここに居るんだ。俺らがどこに居ようと、勝手だろ?」

 その言葉が終わると同時に、全員は駆けだした。マムシを、そして大筒を倒すべく。
 銀時は舌打ちをして、そして自分で縄をほどいた。
 駆けだし、自分の木刀を持つ新八に告げる。

「木刀、持ってきただろうな?」

「え、あ、ハイ!!」

 新八は反射で木刀を渡す。
 布から抜き去った木刀を構え、銀時は飛び上がった。

「工場長、お世話になりました^^」

 汚らしい笑顔を浮かべて、銀時は今にも発射されんとする大筒の中に木刀を刺した。
 暴発→工場、爆散!!

「じゃ、お前ら。帰るぞ」

 死んだ魚のような目を取り戻した銀時は、ぼりぼりと自分の首を掻きながら言った。