二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 雪のCLOVER 【銀魂】コメください><; ( No.11 )
日時: 2011/03/08 21:55
名前: 白雪 (ID: wJNgr93.)

第三訓『一家心中するぞコラァ!!』

雪亜はその後、三人に向かい合い改めた様子で話し出した。

「万事屋三人衆+一匹に二つほど頼みがある」

「おぅ?依頼か?報酬さえ貰えるんなら、どんなことでもしてやるぜ」

「銀ちゃん!久しぶりのお客さんアルナ!」

「ちょっとやめてくださいよ神楽ちゃん。…で、頼みって何ですか?」

「ん?あぁ、一つ目は私を何日かここへ泊めてくれってこと。二つ目は……———」

「ちょっと待て!ここのエンゲル指数半端ねぇのお前、歌舞伎町じゃあすっげぇ有名なんだぞ?それなのに更に食べ盛りの子供一人養えってか?一家心中するぞコラァ!!」

万事屋の命に関わると言わんばかりに銀時は大声を張り上げる。するとその様子を眠そうな目でチラッと見ると、雪亜は落ち着いて言う。

「報酬払うっつってんだろが。それに自分の飯代くらい自分で出せる。いいから二つ目の頼み黙って聞けやコラ」

「…スンマセン」

幼い少女の激しいギャップに迫力負けした銀時は、一言だけ誤ると、その場に正座をして雪亜の次の言葉を待つ。


「…はぁ…二つ目のお願いは、ここで私を雇ってもらえない?っていうことなんだけど…大丈夫?」


雪亜の口から飛び出た思わぬ台詞に、一瞬三人は唖然とする。…が、状況をいち早く飲み込んだ新八は雪亜に対して落ち着きのない様子で話しかけた。

「そ、そんなこと無理ですよ!万事屋はいつも三人でやってきたし…第一危ない仕事とかも結構くるんですよ?それなのにまだ年端もいかない少女をどうして雇うことができるんですか!」

「そう?私もう13歳だよ?子供というには大きすぎる年だし…それに私ある程度の奴らなら殺s…やっつけられるよ?」

「今思いっきり殺せるって言おうとしたよね?ある程度ってどうせ同い年のちゃんばら程度でしょ?」

「甘いな。この前は夜兎族の集団を全員私が倒した。金を欲していたな、あいつら…その前は攘夷浪士どもの喧嘩を止めたな。放っておけばよかったんだろうけど、どうしても江戸にきて力試し的なものをしてみたかったから…」

雪亜の恐ろしい戦記を聞いてしまった新八は、とりあえず大声で土下座をしながら謝っていた。

「…私は雪亜雇う、賛成アル」

「まぁ金もいらねぇみたいだし?俺も別にいいと思うよ?」

今まで黙っていた神楽と銀時が、声をそろえて賛成をしたことに、新八は驚きの色を隠せないでいた。

(まぁ銀さんが賛成するなら、別にいいか…)

心の中で自分に言い聞かせた新八は、雪亜の全身を改めて見渡した。

白く綺麗な肌。薄紅色の瞳と、同色の長い髪。右目の包帯からわずかに覗く深い傷。異風な格好に背中の大きな扇。

…確かに雪亜は、この年で数多の修羅場をくぐり抜けてきたのだろう。

「…これからよろしくお願いしますね、雪亜ちゃん」

その新八の言葉を聞いた雪亜の顔は、パァっと花が咲いたように輝いていた。…とても人を殺めてきた少女とは思えないくらいに。

「よろしくアルナ、雪亜!」

「足引っ張んなよ、よろしくな雪亜」

「うん、みんなよろしく。そして採用ありがとう」

こうして万事屋には新たな仲間、『冬芽雪亜』が加わり、いっそう賑やかな生活を送ることとなった、定春であった。

「クゥ〜ン…ワン!(出番少ないじゃねぇか!この駄作者が!)」

そして…大好きな定春に棘を刺され、深く傷を負った作者であった。



                                〜始まり小唄篇 完〜