二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 雪のCLOVER 〜シロツメクサの約束〜【銀魂】 ( No.3 )
- 日時: 2011/03/01 20:38
- 名前: 白雪 (ID: wJNgr93.)
≪始まり小唄篇≫
第一訓『お前触ったら汚れるアル』
今日は晴れ。俺の気分も晴れ。なのに体調は竜巻発生ですかコノヤローってくらい悪い。
なんでかって?それは昨日長谷川さんというマダオ(ん?反対か?)と飲みに行って、そりゃもう死ぬほど酒を飲んで呑んでのんで…
呑まれちまったってわけだ。
気分的にはいい感じに酔っ払って、テンションも上がってたんだけどなぁ…
あ〜 家に帰っても胃袋ブラックホール並みにでかいチャイナ娘と、何かでっかい犬とメガネしかいないんだよな〜。
…あれ?ロクな奴いねーなオイ。
帰りたくね〜な…空から美人なお姉さん落ちてこねえかな…
なんてバカ丸出しのことを考えながら俺は、万事屋までの道のりをゆっくりとふらつきながら歩いていた。
途中で色々見知った奴に会ったりもしたが、適当に話してまた歩き出す。
やっとのことで万事屋へたどり着いた俺は、いつもより幾分長く感じる階段を一段一段亀のようなスピードで上がってゆく。
するとそこに…玄関の前へ、でっかい扇を背中に担いだ少女が小さく丸まって座り込んでいた。
どうやら眠っているらしい。
(…空から美人は落ちてこねぇけど、玄関から少女は湧いてくるんだな。)
など二日酔いで痛む頭で呑気に考えたあと、少女の背中をトントンと軽く数回叩く。
「お〜い。そこどいてくれませんかー?ここはキミの家じゃないんですけどコノヤロー」
そう棒読みで告げたのだが、彼女からは何の返答もない。
唯一返ってきたのは、スースーという規則正しい彼女の寝息だけだった。
…薄紅の髪に色白の肌、変わった着物に右目の包帯。背中の扇は、神楽の傘と同じ役割を果たすのだろう。少女は見た目からして12,3歳くらいだ。大方神楽の新しい友達かなんかなのだろうが、彼女はこの辺では見かけない、異風な少女だった。
「おい起きろっつってんだろーが!」
「銀ちゃんうるさいアル。『渡る世間は鬼ばかりだチクショー』が聞こえないネ…その子誰アルか?」
突然ドアが開いたかと思うと、中からチャイナ服を着た少女が文句を言いながら出てきた。
それに釣られたのか中からもう一人メガネをかけた地味な奴と バカでかい犬が一匹出てくる。
「どうしたの神楽ちゃん…ってその子誰ですか、銀さん」
「いや、なんか家帰ってきたら玄関で寝てたからよぉ。しかもいくら叩いても起きねぇし…神楽の友達じゃねぇのか?」
「私そんな子しらないアル。ねぇ定春?」
「ワン!」
「う〜ん…僕も知らないです。とりあえず中に入れてあげましょう。こんなとこじゃ風邪引きますから」
そう言ってメガネもとい新八がその少女を抱えようとした瞬間、神楽がすかさず言う。
「お前触ったら汚れるアル。私が運ぶネ」
「んだとぉぉ!!」
毒舌を吐く神楽に殴りかかろうとした新八だったが、あっけなく蹴りを返されていた。
両手には少女を持っていたので足でやられたという次第だ。
そしてこの騒動の中でも少女は起きる気配が全くない。
「どんだけ眠いんだコイツは…」
という俺の素のツッコミは、誰の耳に届くこともなく 晴れた空へと消えていった。