二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 雪のCLOVER 〜シロツメクサの約束〜【銀魂】 ( No.4 )
- 日時: 2011/03/03 20:55
- 名前: 白雪 (ID: wJNgr93.)
ひらり。ひらりとシロツメクサの
あいだをぬって 黄蝶が舞うの
かなしいよ
さみしいよ
くるしいよ
それでもずっと 黄蝶は舞うの
だれかにつかまえられる日まで…
やくそくのあの日まで
わたしは舞い続けるの…
第二訓『やっちゃったよ…』
いつかの唄が、私の頭を駆け抜けてゆく。
(あ、この唄…懐かしい。…ハク…)
「う…ん?ハ、ク?」
ここはどこだろう。
目をうっすらと開けると、一番に飛び込んできたのは木造りの天井。
そして、オレンジ色の髪をした華奢な少女に黒髪メガネの男の子。
…誰だ?
「あ、気づきましたか?意識ちゃんとあります?」
「銀ちゃ〜ん!ピンクが起きたアルヨー!!」
ん?ピンク?それは私のことか?
嫌なあだ名付けられたものだね、私も。
というかあまり叫ばないでほしいな…
頭がボーっとしたまま私はとりあえずメガネのほうに
「うん」とだけ返しておく。
「そうですか。よかった…ところで質問なんですけど、なんであんなとこで寝てたんですか?」
さっきから質問ばかりで正直苛立ったが、ここは抑えてその問いに答えることにした。
「…長旅的なもので疲れてたんだよ。万事屋って看板が見えたから、そこで私の探し人も探してくれるかなと思ってね。でも誰もいないし疲れてたからとりあえず朝まで寝ることにした」
早口でそう捲くし立てると、メガネはさらに質問してきやがった。
「…いつきたんですか?大体万事屋は朝から夕方まで人いるんですけど…」
「夜中にきた。」
「そんな時間に万事屋があいてるわけないでしょうがぁぁぁ!!大体なんでとりあえず玄関で寝てんだよ!そっからおかしいだろうがぁ!!」
な…何このメガネ野郎!つっこみか?つっこみ担当なのか?腹立つ言い方しやがって!
「うるっせぇんだよ!」
「おぼしっ!!」
とりあえず腹立ちまぎれにアッパーをくらわせといた。
そしたらなんか…天井ぶち抜いていっちゃった。
「またやっちゃったよ…こりゃ修理代払わないといけねぇかな?」
「そんなことないアル。だいたいいっつもこんな感じアルヨ…でも飯代は置いてくネ」
「何?ご飯食べれてないのか?」
そう言った途端にチャイナのお姉さん(私から見たらね?)は、パァっと顔を輝かせる。
「そうヨ!今日も朝から何にも食べてないアル!」
今日もの『も』の部分を強調させて聞き捨てならぬ台詞を口走る。
「おい神楽。お前朝山ほど飯食ったろが。俺の分まで」
すると今までどこに行っていたのか、銀髪の変わった格好をした男が現れた。
たぶんこの人がチャイナさんの言っていた『銀ちゃん』なのだろう。
「今日のご飯少なかったネ!三合しか食べてないアルぅ!」
「三合も食べたのか?恐ろしい胃袋してんだね」
今のチャイナさんの言葉には耳を疑ったが、とりあえずそこは二言だけ返してこれ以上つっこまないようにする。
…とりあえず多いな。
「それよりお前名前なんて言うアルカ?私は神楽言うアル」
いきなり切り出されて私は一瞬、声を出せなかったが、三秒ほどの間をあけて己の名を告げた。
「…冬芽雪亜だ」
「雪亜か〜。かっこいい名前アルナ!」
「ありがとう、神楽もいい名前だよ」
「俺は坂田銀時だ。一応この万事屋の社長やってる」
「なにが社長ですか。気取らないでくださいよ!…あ!僕は志村新八です」
…いつのまに復活したんだよこの人は。
「そっか、みんなよろしくね」
「…あ、雪亜依頼があるんじゃなかったアルカ?なんか探し人的なやつネ!」
あぁそっか。思い出した…
「あぁ、うん。探してるのは私の弟。『冬芽美亜(みあ)』っていうんだけど…江戸にいるっていう情報掴んできたんだよ」
口早に探している弟のことを教えると、返ってきた三人の答えは同じものだった。
「…聞いたことねぇな」
「私もアル」
「僕もです」
…はぁ〜…やっぱりアイツを見つけるのは、骨がいりそうだぁ…
【続く】