二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〔銀魂〕   *。夢は儚く、愛おしく。* ( No.103 )
日時: 2011/12/23 13:55
名前: 瑠々 (ID: bFAhhtl4)

第十一訓 もうコレ、お祭り騒動篇でよくね?

紫は1人、カキ氷を食べながら人ごみの中を歩いていた。
暇だなー桜も連れてくればよかった、などと考えていると、遠くの方から爆発音が聞こえてきた。
少しすると、煙がもくもくと立ち昇ってきて、周りの人々は驚いている。

(あ、土方さんから呼び出しかかるかも)

それより仕事をサボったことについて長々と説教されるだろうから、電話に出ず、即切ろうとか考えていたら、本当に携帯が鳴った。
土方だったら無視しよう、と思いながら携帯を開くと、画面には土方ではなく桜の名前が表示されていた。

「もしもーし」

『紫!今爆発が起こったでしょ!?あれ、攘夷浪士の仕業らしくて、今からその場所に行くんだけど、紫も向かって!じゃあ…「ちょっと待った!」なに?』

紫は少し声の大きさを小さくすると、言った。

「その攘夷浪士って鬼兵隊…?」

紫の質問に桜は少し黙った後、

『鬼兵隊に並ぶ、過激派攘夷集団『月華隊』』

「……『月華隊』、ねぇ…」

ポツリと呟くと携帯を切り、現場に向かった。

              *

紫が現場に向かっているとき、凛は丁度現場にいた。
攻撃は当たっていないが、煙が凄くてむせている。

「ゲホッ。なにすんだコノヤロー!」

凛は煙の向こうにある人影に向かって声を上げた。
つーかよく無事だったね。
うるせー作者とか聞こえるけど、無視しよう。無視。

凛は立ち上がり、着物についた砂を払った。

「つーか花火上げるには場所が違うよ」
「……ありゃ。そうだった?でも、会いたい人に会えてよかったよかった」

砂ぼこりが消えると、四十ほどの浪人たちが立っていた。
しかも、先頭に立っているのは17・18歳くらいの少女だった。

「皆は先に。真選組が向かっていると思うけど、一般市民は傷付けちゃあ駄目だよ。邪魔するなら別だけど」

少女は適確に指示を出すと、他の浪人を行かせ、凛と二人きりになった。

「えーっと、私と貴方では初めまして、かな。『銀色夜叉』夏凪凛さん」

少女はにこにこと笑っているが、凛は少女と逆で、睨むような目で少女を見ている。
すると少女は、あっ、と声を漏らすと楽しそうに、付け足すように言った。

「『月華隊』元隊長、夏凪凛さん…でも良いのかな?」

それを聞くと、凛はピクリと眉を動かし、やっと口を開いた。

「なんでテメェがそんなこと…」
「私の名前を聞いたら分かるよ。——私の名前は」

少女はにこにこと笑っていたが、急に笑うのをやめた。
代わり現われたのは、憎しみと殺意のこもった瞳。


「有働伊織」


その名前を聞いた瞬間、凛の脳裏に1人の少女が蘇った。