二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 〔銀魂〕   *。夢は儚く、愛おしく。* ( No.78 )
日時: 2011/04/08 17:53
名前: 瑠々 (ID: .qxzdl5h)


第八訓 夏だけに祭りがある訳じゃないと言ってみたい


ある日の昼下がり。万事屋は何時も通りグーダラな一日を過ごしていた。

銀時はジャンプを読み、新八はお茶を飲み、凛はソファに寝そべって
うとうとし、神楽は定春の散歩に行き、神夜は銀時の頭を触っている(銀時は眉間に皺を寄せているが)。

まあ、何時も通りの万事屋だった。

「ただいまヨ〜」

凛が夢の世界の扉を開けそうになっていた時、丁度神楽が定春と一緒に散歩から帰って来た。新八は「お帰り、神楽ちゃん」と言うと、テレビを点けた。

すると、テレビを見ていた新八が銀時に話しかけた。

「あれ?今日お祭りが有るみたいですね」

「此の季節にか?珍しいな」

新八の台詞に凛は顔を上げ、神夜は手を止め、神楽も新八の隣に座り画面を見た。
テレビでは結野アナが、

『今日行われるお祭りは将軍様主催と言う事で、町は盛り上がっています』

そう言っている。確かに結野アナの後ろでは、屋台の準備が着々と進んでいた。

「将軍も暇人だねェ」

「嫌、僕達に言われたく無いでし「五月蝿い駄眼鏡」・・・」

そんな二人の様子を他所に、神楽は銀時の傍に行った。

「銀ちゃん、あたしお祭り行きたいヨ」

神楽の一言に、神夜は目を輝かせると、

「俺も!俺も行きたい!」

神夜も手を挙げはしゃいでいる。凛は勿論賛成だ。新八も賛成だと言っている。だが、銀時はテレビから目を逸らさない。
すると、画面が変わり、高い建物の前に変わった。其の建物の周りには真選組がいる。そして結野アナが、

『本日のお祭りには将軍様もご出席すると言う事で、万全な警備がしかれています』

其の結野アナの台詞を聞いた其の刹那——、銀時の表情が変わった。
眉間に皺を寄せ、赤い銀時の目が鋭くなった。

そんな銀時の表情の変化に、凛だけが気付いた。

「銀時・・・」

「あー?」

「如何したの?」。そう言おうと思ったが、何となく言わなかった。
聞いたらいけない気がしたのだ。

「あのさ、ちょっと出掛ける」

「おー」

銀時のヤル気の無い声を聞くと、木刀と刀を腰に差し、外に出た。


まだ日が沈むには早いと言うのに、東の空は少し暗かった。