二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- 第2話 ( No.19 )
- 日時: 2011/12/11 00:12
- 名前: 雷燕 ◆bizc.dLEtA (ID: HLTL9ZJI)
緑の髪、おとなしそうな顔つき、とりあえず全体的に見たことのある人物。モミ。ゲームにも出てきて、主人公と一緒にコトブキシティからこの森を抜けて行ったはずだ。この世界ではどうなのだろう? ゲームのモミは、最終的に結構強くなっていたが……。
そんなことを考えながらレイアは答えた。十中八九年上なので敬語。
「もちろんいいですよ。進むスピードは凄く遅いですけど」
「全然構わないわ。ポケモン勝負は苦手って訳じゃないんですけど、この森ってどうにも気味が悪くて」
確かに全体的に薄暗くて虫ポケモンも多いし、苦手な人には苦手な場所だろう。それに、森の洋館というシンオウ一(主観)の心霊スポットもある。どうせ出てくるのはゴースなどのポケモンだけだろうし、ということで寄ってみたいとは思っていたが、まあいいか。
それからはポケモン勝負は程々に、モミと談笑をしながら進んだ。
「じゃあ、今日ポケモンをもらったばかりなの? 戦いぶりを見てたら、そうは見えなかったわ」
きっとそれは、バトルは初めてじゃないから。
「そうかな、ありがとうございます。でも凄いのはヒトカゲですよ、きっと」
「ううん、レイアちゃんも、私がポケモンを貰った時とは大違い。今でもこの森は苦手だけど、あの頃はバトルも苦手でこの森を一人じゃ抜けられなかったわ。それで、ヒカリちゃんって子が一緒に行ってくれたの」
ヒカリ! 恐らくダイパ・プラチナの女子の方の主人公のことだ。
「そのヒカリちゃんね、この前シロナさんを倒したのよ。しかも彼女の幼馴染のコウキ君もジュン君も強くて、ヒカリちゃんより先にコウキ君もシロナさんに勝ったの」
この世界ではコウキのほうがヒカリより先に殿堂入りしているらしい。そのコウキがさっきオーキドに会いに行っていたということは、オーキドがハクタイシティに来たのは最近ということだろうか。
そしてゲームの通りなら、ヒカリがモミとこの森を抜けたのは結構前のことだと思われる。さっきも「ポケモン勝負は苦手じゃない」と言っていたし、きっとモミもかなり強いのだろう。
「凄いですね。じゃあモミさんと一緒にこの森を抜けてる私もそのくらい強くなったりして」
半分冗談で、半分は願望で言ってみた。するとモミが「でも実際そのくらい強くなると思うわ」などと言うので照れてしまう。
「いやいや無いですって。……あ、ビッパが思い切り臨戦態勢なんで勝負してきていいですか?」
「どうぞ。観戦してるわ」
そんな風に進んでいると、見るからに怪しい建物が前方に見えてきた。森の洋館だろう。
「ここが森の洋館で、これがあるから余計にこの森が苦手なの」
モミが言った。それも仕方ないと納得できる怪しげな雰囲気をまとっている。ゲームでもこの洋館は、隣の部屋の絵が自分を見ていたり、老人や少女の幽霊が出てきたり、製作しているゲームフリークも趣味が悪いな、なんて思う場所なのだ。
また来ればいいかと通り過ぎようとした時だった。
「きゃあああああああぁぁぁぁぁ!」