二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

第4話 ( No.29 )
日時: 2011/08/23 23:22
名前: 雷燕 ◆bizc.dLEtA (ID: 0i4ZKgtH)

第4話 異国情緒溢れる港町


 ゲートを抜けて218番道路を進むと、桟橋に突き当たる。目の前は広い川で、向こう側に行ける橋もない。

「そっか、水路か空路じゃないとミオシティには行けないんだった……」
 レイアはポケギアを取り出した。まだたった二人しか登録されていない中から、一人に電話をかける。数回の呼び出し音の後、相手が出た。

『もしもし、オーキドじゃ。何かあったか?』
「レイアです。こんにちは。今218番道路にいるんですけど、川を渡る方法が分からなくて……」
『ああ、それなら心配いらん。知り合いがラプラスを持っておるから、迎えに行くよう言っておく』
「ありがとうございます」

 そう言って電話を切った。
 それから、ヒトカゲに水をかけてからかってみたりした。あんまりしつこくやっていたらヒトカゲに体当たりされて川に落ち大爆笑されたり、暇つぶしにじゃれる。寒くなってくしゃみをして、親切にもゲートの中に設置されているトイレの中で着替えた。人はほとんどいないのでジャージを干して、また暇になってヒトカゲにちょっかいを出す。

 そうこうしている内に、何かが川の向こう側からやってくるのが見えてきた。わざと濡れた手で掴んでいたヒトカゲの尻尾を放し、「何か」を指差す。

「ヒトカゲ、あれかな」

 ジャージをたたんでビニール袋に入れてからリュックに詰めていると、相手の少女の姿がよく見えるようになってきた。まず目立ったのが髪の色だった。鮮やかな茶色。染めているのか地毛なのかは分からない。また、かわいい顔にその髪色が似合っている。目が大きく童顔で、さらに小柄なため、見ただけでは年下と勘違いしそうだ。

 服は、七分袖のインナーの上にタンクトップにミニスカート。肩に鞄をかけていて、活発な性格が窺える。
 その少女はレイアの姿を見て驚いている様子である。髪が濡れているからだろうと思っていると、ラプラスから降りて桟橋に立った少女はレイアに言った。

「あれ、女の子がいるって聞いてたんだけど……?」
 私ってそんなに男に見えるかなあ? とレイアは首を傾げる。


「いきなりあんなこと言っちゃってごめんね。あたし、ルイ。あなたは?」
「レイア。まあ趣味も男っぽいし、しょうがないよ。全然不快ではないし」
「レイアか、名前もちょっと男っぽいね」
「かわいい名前の方が嫌かな、私は」

 自分が女であることを説明して、一緒にラプラスに乗せてもらった。2人で乗っても窮屈でなく、また、揺れも少なく乗り心地はいい。
 ルイは親同士が知り合いなのでオーキド博士と知り合いらしい。オーキドの知り合いとなると気になるので親は誰なのかと聞いてみると。

「お父さんはオダマキ博士って呼ばれて、結構有名かも」
「オダマキ博士!? ホウエンのあの有名な博士だろ?」
「まあ、娘のあたしは全然凄くもなんとも無いんだけどね。あ、でもお兄ちゃんはバトルが凄く強いんだよ」

 オダマキ博士が二児の父だったことにまず驚きだ。そういえば、ゲームでもプレイヤーが選ばなかった性別の主人公はオダマキ博士の子供という設定だったけ。
 そして、ルイの話でレイアは兄のことを思い出した。