二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.118 )
日時: 2011/06/12 08:30
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?470754

 夢の無い贈り物は、とても重苦しい。


#01 それは、大きなすれ違い


 ————事件はそこから始まった。

 いつだったか、忘れたけれど。サンタさんなんて信じる年頃じゃなかった事は確かだ。しかし、サンタさんがプレゼントを届けてくれた。そんなクリスマス。
 それはとても重みのある実弾入りのリボルバー。悪の組織に組み込まれている私はそれを使って血を浴びた。
 そのリボルバーを、目の前に居るアナタに向ける私。
 ——さよなら、愛しい人。

 「もし、今この人生をやり直せるとしたら、また二人で夏祭りの花火でも、見に行けたらいいね」

だなんて。
 泣きながら君に向ける。言葉と、銃を。
 君は困惑した様な表情をして、すぐに微笑んで頷く。
 ゴメン、そんな事言ったってしょうがないよね。言ってはダメだったかもしれない。だってもうこの時は戻らない。
 そんな事、無理だって分かってる。 
 歩むペースは一緒でも歩む道は最初から大きく違ってたんだから。





 桜の木の下で、女性と出会った。やけに憂鬱そうで、何だか構ってあげたくなった。これが一目惚れと言うのかもしれない。
 近付いて話しかけてみると、彼女に全否定され挙句の果てに銃まで向けられた。
 
 「やめてください、撃ちますよ!」

凛々しい、とそう思った。
 そっからその女性に何度も会って、交際する事になった。
 でも、それは大きな間違いだった。大きなすれ違いだった。
 彼女に会わなければ、彼女を好きにならなければ。僕も君も、苦しくて泣いたりしなかったのに。
 自ら彼女は『悪』と言った。自ら俺は『正義』と言った。敵対してるのに、敵視できない。
 そんなすれ違いが、こんな結果を生み出すなんて。

 危ないと、ダメだと分かっていたのに、それでもこの気持ちは抑えられなかった。