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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.140 )
- 日時: 2011/07/01 19:21
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
卑怯なぼくは、全てが怖い。
#01 子猫は無邪気に鳴く
————おやすみ。
その、優しい声を聴いてぼくは安心する。誰かが生きる事を許してくれている様で安心できる。良かった。今日も何事もなく一日が終わっていく。
卑怯で、ずる賢いぼくら人間は、いつも通りに何の報いも受けずにすやすや眠る。
例えば、百人が罪を犯した。そのうち一人は捕まって、後の九十九人は日々何かに怯えて過ごしている。
そんな毎日。ぼくは怯えている。特に目立った罪を犯したわけでもないけれども、日々が怖い。毎日が怖い。あの子を助けなかった。母さんからお金を盗んだ。そんな小さな嘘達が、大きな不安になってぼくに圧し掛かる。小さな不安が、大きな何かに変わるんじゃあないか、ってぼくは毎日怯えて過ごしている。
だけど。ぼくの味方になってくれるこの子だけは、ぼくを安心させてくれる。例えば今、誰も居ない冷えた空気の校舎で、通り魔が何かをしようと舞い踊っていたとしよう。喜びの舞かは知らないが。
しかしそんな事は知らず、いや、そんな事を知っていたとしても。それでも目の前に居るこの子猫は、いつだってこんなにも可愛く鳴くのだ。そんな可愛い子猫を見るだけで、ぼくは安心できるのだ。
ぼくは友達が非常に少ない。根暗とも言う。中学校に入る当初は、友達百人できたらいいなあ、なんてくだらなくありえない夢を少しだけ持っていた。
しかしぼくは根暗だった。すぐ虐められた。虐められる中でぼくの夢は折れた。なんて弱い志だよ。
友達できたらいいなあ、とは思ったものの、ぼくはお化けと友達になんてなれない。いやいや何でぼくは霊と言う生き物? が見えるんだ。
お化けじゃ、仲良くなれない……したくも、ないのに。
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