二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.152 )
日時: 2011/07/17 12:11
名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode

 お困りだから助けてあげるぜ。


#01 善悪の塊


 彼には裏の顔がある。人間裏表なんてつかないぐらいぐちゃぐちゃに混ざっているけれど、まあそんなのは実はどうでもいい。
 廃材が転がってたりへこんでいるパイプが転がってたりするこの無法地帯は、正直危ない。ゴミがありすぎて煙が出てる場所も数箇所あるぐらいの危険な場所である。
 銘々に、それぞれ人は当たり前に狂い当たり前に犯罪を犯す。今じゃ自分の描いた絵を有名な画家が描いた絵なんて言っている詐欺も居る。しかしあの詐欺の絵は相当上手い。似てなくとも、だ。

 ——とにかく、ここは犯罪を犯した奴の集まる場所である。
 狂いすぎて黄色く染まった人と言う的たちに注射の針を当てて商売している僕もまた犯罪者。儲けは案外入ってくるもんだ。

 そんな所にフラフラとやってくる、プロ野球選手。と言ってもユニフォームだと何か疑われそうな気がしてならないので私服で来ているらしい。まあ利口な判断だ。
 その野球選手は千鳥足で歩いてくるが、確実にこちらに向かってきているのは分かる。何故かって? そりゃあ、常連さんの顔ぐらい覚える記憶能力程度は、僕にもあるさ。
 
 「グローブは、手元にないんだね」
「ホームベースに、置いてきちまった。……それより、俺は困った」
「分かってるさ。これが、欲しいんだろ?」

 相変わらず、いい奴だ。単純で、簡単で、楽勝。

 ——お困りならばアイツを呼べ。送電等が並ぶグラウンドの上にソイツはいつだっていつでも座って待ってる。と言ってもソイツは困ってる奴に送電してくれるいい奴だ。誰もが幸せになり、やる気が出る——クスリを提供してくれる。
 白黒は自分で決めて欲しい。曖昧で不確かな正義と曖昧で不確かな悪意がごちゃごちゃ交ざりあってできた、白の正義にも黒の正義にもなるヒーロー。
 ————僕が、パンダヒーローだ。