二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.157 )
- 日時: 2011/07/22 19:37
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
望まれて、嫌われて。
#03 人喰の型
カニバリズム。それは人を喰うと言うまあ僕らに関しちゃ共食いって奴だ。共食いなんて、嫌なもんだけれど。
まあしかしカニバリズムは言葉だけしか実在しない。なぜそんな言葉ができたのかも不思議だ。歌うアンドロイドなんてもんが現代には流行っている様だけれど、それで弄くり遊んで何が楽しいのか。ニートの元だ。
きっとそんな場所にはヒーローなんて居なくて、そういうヒーローは嫌われてんだ。
きっとそんな場所にヒーローを必要としている人が居て、理想のヒーローは望まれてんだ。
セクハラなカニバリズム。ただし、美食家なカニバリズム。女しか喰わないカニバリズム。喰う時間は必ず夜で、乱れて汗を掻き、喘ぎ歌う人形の様な人。アンドロイド、が正しい。不埒、不埒だ。
きっとそんな場所には黒のヒーローが居て、そんなヒーローは嫌われてんだ。
きっとそんな場所に白のヒーローがテレビ画面に居て、そんなヒーローは望まれてんだ。
ちなみに黒は僕で白は野球選手だ。しかし野球選手が黒なんて事は、ここの無法地帯の住民ぐらいしか分からない。不埒で、卑怯で、臆病者達。
——今、バッターボックスに立っているパンダヒーローだってそうだ。
狙ってヒットをかました眩むくらい光っている白黒のヒーローは、正に不埒で卑怯で臆病だった。三遊間の間を抜けたボールは、クスリにはまるわ女にはまるわ、僕にまで手ぇ出されるんじゃないかと思った。
僕の元に初めて訪れたパンダヒーローは、最低で最悪だった。人見知りで、人間不信で、どうもやりにくい。
お、ここで登場したか、ピンチランナーのヒーローは。流石ヒーロー、重大な役は楽勝にこなす。一点ゲット。しかし、気分が悪そうだな。きれてきたか……?
パッパラパーな相手チームの応援が立ち上がる。一点入ったか。つまり二点ビハインド。
情けない、とは言わない。何故ならアイツは今でもヒーローだから。ヒーローにはなれてるんだ、なら、文句は言えない。ただし、騒いでるのは相手チームの応援席なのだが。
「くっそ!」
左手のバットを投げ捨てる程、感情制限は上手くいかないらしい。
黒に、腕を突っ込まなけりゃ。突っ込まなければ、今嬉しい筈なのに。