二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.164 )
- 日時: 2011/07/28 15:05
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
一つだけ、目的があるから存在できるんだ。
#01 僕の存在意義
今日は僕と彼女が『恋人』と言う異様な関係になって一周年を迎えるおめでたい日。今日はいつもどおり彼女と一緒にイチャイチャラブラブできる家の中。茶色のソファに僕と彼女は二人で座って、話し合っていた。
ただ、何となく。ふと思っただけなんだけど、僕は彼女に訊ねる。
「僕の心臓がさ、止まっちゃったらどう思う?」
「いやあ……そりゃ、心配と言うか、悲しむと言うか。仮にも彼女だからね」
思った通りの反応だった。彼女は女の子らしい女の子ではない。だからと言って男でもニューハーフでも何でもないんだけれど。何て言うか、平等で、一人で、それでいて無関心で無表情。僕も似た様なもんだからとても好きだ。恥ずかしいけれど。
「僕はさー……うーん、こう言っても何だけど、その時にはこの世を満喫し終わっていて、もう早くあの世行きたいって思ってると思うんだ」
「何それ、私はどうすんの」
苦笑いして呆れた様な声で君は言った。悲しそうな顔にも見えるから、何となく心が痛くなる。
「いや、正確にはそう思っていたい、かな」
君は首をかしげて意味不明といった顔をしている。そりゃそうだ。唐突に思いついた事なんだから。
「やり残した事なんてさ、何にもない位にしたいんだよ」
「それで? 私はその為にどうしたらいい?」
「——別にそう言う事じゃなくてさ、死ぬ時までずっと君の隣で笑っていたいなーって話。まあ、寿命ならそりゃ叶えるお手伝いはして欲しいけどね」
僕はアホみたいな笑みを浮かべて、君を向く。君は僕の顔を「アホみたい」と貶して、笑う。そこまでアホじゃないんだけどなあ。
僕は——この胸が脈を打って生きている間は、君がいつでも怒ったり泣いたり笑ったり出来る様に守っていたい、と思ってる。守ってほしいとも、思っているけれど。
生きる意味なんて、それだけでいい。僕の存在意義なんて、大切な人を守るだけって事でいいんだから。