二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.176 )
- 日時: 2011/07/31 15:00
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode
もう、どうしてスキとキライの間がないの。
#01 キライ寄り
スキ……だなんて事はなく、絶対的にアリエナク。だがしかしキライな訳じゃない彼。分かんない。曖昧なライン。でもストーカーされるしやっぱこんなのはキライなんだよね。
「『スキだ』……ねえ」
何かもう呆れてしまう。スキだ以外アリエナイだって。怖い怖い。中二の勢いは怖いね。中二の変態は怖いね。
——スキとキライなんて分かる訳ないじゃん。
ハッキリしない自分がイヤになる。もう、頭の中の思考が止まらないよ。
ああもう! 何なのよ! ずっとアイツのコクハクって奴がずっと頭の中でグルグルグルグル回ってる。四六時中、眠る前も起きた後も。スキとキライに真ん中はあるの? て言うか何でないのよバカ。迫られるのは二択だけじゃないの。二択しか選択できないとかナニソレ。
『スキ』を選択したら間違いなく変態地獄だし、『キライ』を選択したら罪悪感が沸いてきそうなんだよな……。
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返事は決まってる筈さ。間違いなく絶対的に彼女は僕の事スキだ! スキだ以外にアリエナイ! と言うかそれ以前に認めたくない! 僕はキメ顔でそう思った。鏡の中の僕もキメ顔だった。
『Wedding』ウェディングウェディング。君と僕で指輪を交換し合って誓いのキスを……もうヴィジョンは素晴らしい程完璧。あと数年待ってくれたら僕ら二人夢を完成できる。
ハッ、そうだ住むのは松涛辺りのマンションがいいな。外の景色を見て君と二人でランデヴーだぜ、何だこの素敵な未来! 子供は三人かなあ。二人は君に良く似た女の子がいいなー。
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また妄想。私が想像したくない未来を浮かべてニヤニヤウヘウヘとして本当気持ち悪い。結婚とか住む場所とか子供とか想像してたら軽蔑するわー。
「あ、ところでリン」
「何よ」
「スキだ、付き合ってくれ」
出たよコクハク。頭おかしいんじゃないの? しかもキメ顔だし。あんましカッコよくないし……。
「待って」
「何で?」
首を傾げる君。何でってそんなの決まってる。
「だって、私達十四歳ですよ鏡音くん」
「ですよー?」
そう言ってへら、と笑うレン。うああ、何この不意打ち! 私がその言葉を言うのに躊躇していると知らないけど君は勝手に私の思いを想像し出した。
「あ、リンもしかして結婚の事言ってるのか? 大丈夫だよそんなの、あと四年じゃねえか。いやー、お前がそんな事考えてるとは」
「ねーよ」
私がそんな事いつ言った。結婚なんてあるわけねーだろ。あと四年だとしてもまず付き合ってから考えるよそんなもん。
「じゃあ何だよー」
問い詰めるレン。恥ずかしくて言いにくい……顔が熱くなる。
「その、付き合うとか……」
「スキだ!」
「話聞いてバカ!」
何なのコイツ……ノーガードで隙も多いし。私が恥ずかしながらも言ったってのに。