二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【リク】ボカロ曲を好き勝手に【募集】 ( No.183 )
日時: 2011/08/08 22:30
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)

 まだまだ、終わらないの。


#04 ギラギラ恋愛


 「リーン! そろそろデレちゃいなYO!」
 
うっさいうっさい。さっきから私の後ろを付いてくるレン。でもよく分からない。どうしたらいいのか分からない。だから、言えない。言ってしまおうか。もういっそ。どうせ何も変わらないのなら。この想いも、時間も、出来事も、関係も。変わらないのなら、変えてしまおうか。
 ギラギラで堂々な恋もしてみたいし、それに。白黒パンダな私が黙って寝て日々を過ごしてちゃ、日々がツマラナイ。だから。

 「ねえ、レン」
 「お、返事? OKの返事?」
 「少しくらい黙りなさい! うっさいわ!」

相変わらず反応したらこの調子なんだから——何だか、調子が狂ってしまう。少しその場は静かになる。ドキドキするけれど、大丈夫。

 「付き、合うよ。アンタと」
 「マジ……? やったぜー! ひゃっほう!」
 「まだ黙っててよ!」

もう、このまま勢いで行こうと思ったのに。余計恥ずかしさが増える。

 「アンタ、妄想が過ぎるの。二人で愛して協力するから初めて絆が育っていくのよ、だから……」

顔が赤くなって言う事も忘れてしまう。ああ、とにかく家に帰りたい……けど、言わなきゃ、また分からなくなってしまう。引き摺ってしまう。今の内に言っておかないと。想いが閉じこもってしまう。
 いつもに増して真剣なレンの顔を見て、更に顔が赤くなる。私は恥ずかしさに耐えられなくて俯くと、レンはこっちに寄ってきて下から顔を覗いて来た。意地悪そうな、優しい笑顔がこっちに向いてる。

 「だから?」
 「うー……だから、ちょっとデリカシーは持って、ね」
 「了解」

にこ、とレンは微笑む。私は恥ずかしすぎて後ろに向く。
 気持ちをぶつける私とレン。想いは通じ合った、けれど。まだこの言葉を言ってない。レンは後ろに居るだけで、こっちに寄って来ようとはしない。このまま言っちゃえばいい。
 
 「スキ……だよ」
 「スキだ」

同時だった。フロマージュの様に、気持ちが絡み合う気がする。キライさえ裏表で、キライの反対はスキ。だから、もう私は最初っから変態なアンタの事スキだったはず。多分。おそらく。そんな恥ずかしい事を口に出すなんてとんでもなく、私はそのまま立っていた。

 「リン! 僕ら今、恋してる……よな?」
 「ああ……まあ、ね」

そんな訳で私達は晴れて恋人同士になったわけで。


 スキとキライ、もう分かってる。私はキミの事がスキで。キミは私をスキで、と言うかスキ以外アリエナくて。スキとキライはずっとずっと終わらない————。
 変態なのもストーカーなのも終わらなくって、そんなキミが私はキライなのも終わらなくって。だけどスキなのも終わらない。

 そんな、よく分からない赤い糸で繋がっている。……気がする。


end / スキキライ