二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.2 )
- 日時: 2011/03/07 21:28
- 名前: 紫 ◆v9jt8.IUtE (ID: j553wc0m)
何もかも、僕の手の中にはない。
#02 容量が足りません
全てを失って、何を受け入れるか。悲しい事を受け入れる程僕の心のメモリーカードは広くない。僕が主人公の悲劇一つ受け入れようとしない程だ。つまり喜劇しか受け付けない。
僕には何もない僕には何もない僕には何もない僕には何もない。
何も? 何も。自信も、お金も、愛する人も、全て失くした。一つは若い時に失くした物だが。
何もないのだ、何も。何があるかと言えば思考回路がある、ある、あるるるる……あれ?
——爆発してしまった。オーバーヒート。ぴーっ。しゅー。警報と煙の音を頭の中で再現。
何も考えられない。簡単な言葉しか出せない。悲しいものも嬉しいものもどこか行った。過去の自分? どこだっけ。
過去の自分。そういや、昔は自信満々で色々な道を進んでみたいとか考えてたなー。四つ、三つ、二つ、一つ、あれれれ? これで最後?
頭は何回下げたっけ。何回下げたら良かったのかな。今の道、スタートの方だろうか、それとも最後まで来ちゃったのだろうか。フィニッシュ、ただしゲームオーバーで?
あーしろこーしろ、そーしよ。それで一体どーする?
————僕だって、一応人間なんだよ。
働き蟻みたいでも、人間が腐ってても。
人間だから、傷は痛む訳で。心は痛む訳で。痛むから叫びたい衝動に駆られる訳で。だけど、何も言えない。こらえて、こらえて、でもまだまだで。
明日の光は、臆病な僕を嫌って雲に隠れる太陽は、どこにあるんだ?
太陽さえも僕を嫌う。なんて、理不尽な世界だろうと嘆いても。所詮、僕は臆病な蟻。嘆いても太陽は動いてくれない。
そう諦めて何も言わない僕だけど。本当は希望すら届かない事を分かっている。
——自由なんて、どこにもないんだ。
希望も、悲劇も入らない。過去の喜劇だけが、僕のメモリーカードを彩っている。