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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.201 )
- 日時: 2011/08/16 19:03
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
貴方と会える日を願って待って舞っていた。
#01 風の音に乗って
既に乾ききった私はただ風に乗る。そよそよと、風のままに。ただ吹かれていたらきっと貴方と会える筈。今頃貴方も、ひらひらと舞っている事だと思う。私を待っていると思う。
貴方に相見えるその日を愛しく待ちながら、いくつもの刻を数えて私は歩き続ける。ただ、風に吹かれて。
貴方が綴った言の葉に私の思いと昔の景色は彩られ、紅く色めく私。紅く色めき、刹那に踊るは昔の出来事。嗚呼、嫌だ。
手を差し出すと、紅葉が一枚手の平に滑り落ちた。紅葉を見ていると、頭に映像が流れ出す。
紅葉が語るは、私の過去。
泣いて叫ぶのは、私だけ。紅く色めいたのは今居る此処だった。他に誰も居ない。大地に膝を立てて、やかましく泣き続ける。そんな少女。
過去の出来事はもう飽きた。既に全部焼けてしまった故郷に別れを告げて、歩きだそうと歩を進めようとした。すると。
私の手を掴み取る独りの男。男は私に顔を見せた。嗚呼、懐かしい。 ひらひらと舞う貴方に手を引かれて、私は過去から走り去る。私はあの時も貴方に手を差し伸べられ、手を取って、手を引かれ。私はひたすら風に乗ってその心地よさを感じて。
何処にも行けなくなったから、未だ見ぬ未来への不安など、感じる暇もありもせず。貴方の微笑みを見て、未来など見ていなかった。それは今も変わる事はなく。貴方の顔を見て、過去も未来も見る由もなく。
ただ私は貴方に惹かれていた。それだけの話だ。
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