二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: ボカロ曲を好き勝手に解釈してみた ( No.205 )
日時: 2011/08/19 10:57
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)

 お前の隣で振るう紅。


#02 ただ行くままに


 乾いた木の葉はひらひらとただ風に舞う。乾いた木枯らしはそよそよと静かに風に乗る。それと同じ様にわたし達は手を繋いで道を歩いていた。どこに繋がるのかも分からない、ただそこにあるだけの道。この繋いでいる手と手を離さずに、刻を数えてそこを翔ける。ただ、風だけに乗って。お前を連れて。

 ふいに、お前は後ろを向く。何かを懐かしむ様に、哀れむ様に。
 ただ悲しそうに後ろを向くお前は、普くヒトの命を背負い、何を想うのだろうか。そして——何を想ってその小さき手で紡ぎたいモノがある。
 ほんの小さな綻びがあるだけで、死ぬるこの世界で。お前は、何が紡げる? 何を紡ぎたい?
 我がお前に尋ねると、お前はただ誤魔化す様に笑った。それなら仕方ないと我はただお前の敵となる奴を全て倒してきた。
 これから我は、自身の信ずる道をただひたすらに歩んでいく、お前の支えとならん。今までもそうだった様に。
お前の道を邪魔する敵を薙ぎ倒す為のくれないの剣を携えて、この身、自由に舞っている木の葉と共に、そして、何かを求めて舞うお前と共に吹かれていこう。
 お前と共に、ただ風のままに吹かれて逝こう。