二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【クイズ】ボカロ曲を好き勝手に【企画】 ( No.211 )
日時: 2011/08/21 20:55
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kakiko.cc/bbs2/index.cgi?mode

 わたし達はただ直走る。そんなつがゐこがらし。


#03 留まる事はしない


 滅びた故郷の様にはさせない。私はただ戦ぐ風となりて、頭を抱える数多の人の癒しとなり、生きとし生きるこの世の者を導く追い風とならん。過去は捨てて、今生きている人の為に動こう。私の事は、彼の事は、全て捨てて。この世の者への追い風とならん。
 木が纏う紅は夕日に染まり、黄金に彩られる。儚く綺麗な景色は、一瞬だけ続く。一瞬が終わり、また黄金に彩られた紅葉が目に映る。
風に揺れる木々たちを横切りながら。ただ人の居ない道を翔けて、既に落ちた枯れ葉を共に道連れにして、翔け抜ける木の葉と裏表の木枯らし。私と貴方は二人で、それでも同じ、一人で。貴方をまきこんで、私をまきこんで。私と貴方はつがゐこがらし。私と貴方でつがゐこがらし。私と貴方で共に翔け抜ける。
 木の葉と落ち葉と枯れ葉がそれぞれ擦れてさざめき音を出す。小さく声を漏らす木の葉と共に、翔ける。ただひたすらに、一陣の風と共に翔ける。ここに留まる事なくただ直走る。
 ここに留まっていてはいけないのだ。世界が私の様に乾いてしまう前に、滅びてしまう前に。ただ、前を向いて進むだけ。笑うだけ。
 貴方は私の横で口を開く。かわいた唄は風に乗り、私は笑う。貴方も笑う。世界は拙いこの唄で、笑える。幸せな唄。

 私達はつがゐこがらし。かわいた唄とそれを奏でるつがゐこがらし。
 

 愛があれば世界は面白く笑える。愛があれば争いは馬鹿馬鹿しい。愛があれば、何だっていいのだ。



end / 番凩