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二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【クイズ】ボカロ曲を好き勝手に【企画】 ( No.233 )
- 日時: 2011/09/14 21:58
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
今日も私は可愛くない奴。
#03 それは、素直
私が認めないとしても、私が君を見てるんだから、それには気付くべきなのに。全然私に気付かない君なんて、私は知らない。知らないかけるの知らないで倍増。そんぐらい知らないもん。私の知った事じゃない、もん。
「ねぇ、消しゴム貸してー」
つんつん、とペンの頭で背中を突かれて、彼に言われた授業中を思い出す。「ねぇねぇ」じゃないわ、この笑顔。私は顔が熱くなるのが何となく分かった。さっき君の事を否定していた割には、私の方が彼を求めている様で、恥ずかしい。
私はベッドの上で、水泳の授業でもないのに足をばたばたと動かして、枕を抱きしめる。——また今日も、眠れないでしょー……。
電気も全部消して、暗くなる部屋。私はベッドの中で、考えていた。
明日も、今日とまるきり変わらない、メランコリンニストなままの私がそこにいるのかな。下向きで、変に苛立って、素直じゃない。憂鬱なままの私。無愛想で、無口なままの、カワいくない奴……。
自分で自分を罵って、そして自分で落ち込む。どうしてこんな素直じゃないんだろうって。どうしてカワいくないんだろうって。素直になれる? 憂鬱から解放される? そしたら、私もカワいくなれるの?
自問自答。私の答えは勿論バツ。そんな事。
あの夢に出てきた王子様と君の笑顔が重なって、君いこーる王子様ってなった時から、きっと私は、素直じゃないの。憂鬱でじめじめした私になって。それで何かをする前から諦めて、変わろうともしないで。
昔と違って素直じゃないの、だってそれは。きっと私が。
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