二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【クイズ】ボカロ曲を好き勝手に【企画】 ( No.234 )
日時: 2011/09/17 20:20
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)

 自分に嘘をついて、心を奪おうとしてたっていう恥ずかしい話。


#04 それは、青春

 
 勝手に目が覚めた。時刻は六時半だった。出来る事なら、もっと夢に溺れていたかった。嘘の心で君を見ていたかった。
 全然つかめない! けど君のあの笑顔を見るために、私は君を凝視するぞー! なんてやる気出して(そこまで乗り気ではないけど)、ずっと君の事を見てきた。
 でも、ただずっと見てきただけなのに、君の行動が面白かったり、君との会話が面白かったり、何となく暇な時には君を見たり——君が私の心を奪って。でも本当は、私が勝手に心を奪われてて。 
 君は私を見なくて。必死に君のココロを奪おうとしてたのは私の方だもん。気がついたのは、勿論今日だけど。全然知らないうちに、君にほれ込んで、君のココロを奪おうとしてただなんて……ああ、恥ずかしい。顔が赤く染まって悶死してしまいそう。
 私は恋愛感情とか、そういうのはよく分からなかったし、それに、恋愛感情と言う感情が、何となく恥ずかしいから、ただ自分に嘘をついてきただけ。君の笑顔を見たいという言い訳を盾にしてた訳なのねー……はあ。落ち込む。更にメランコリック。これぞメランコリック。

 重い足を動かして、学校へ行く準備を始める。学校への距離が、教室までの距離が、君までの距離が近付く程に、足は重くなっていく。
 今まで自分が、君に対してどんな行動をとってたのかを、回想してみる。

 「一緒帰ろうー!」
 「勉強教えて!」
 「明日遊ばない? 皆で!」  

 今まで自覚しなかったのが恥ずかしいくらいに、私の君への態度が今の私を不機嫌にさせる。全部君に向かって言ってただなんて! アピールしまくりじゃん……!
 横目で、君を見てみると、いつも通りにへらへらして笑っている君がいた。それを見ると何だか力が抜けた。何だろう、呆れて脱力?
 今日もいつもと変わらない、私はいつも通り憂鬱なままだし、君も何か憂鬱で無愛想な感じを帯びる時があるし、これは青春の一ページだったって事で、納得しておこう。

 こういう時期だしね。ひたすら私は君と憂鬱に溺れていたいだけ。
 ————ただただいとしいの。めらんこりーあんど、ゆー。
 


end / メランコリック