二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 【クイズ】ボカロ曲を好き勝手に【企画】 ( No.240 )
- 日時: 2011/09/20 19:39
- 名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
- 参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?505007
私の中の、異様な隙間を。
#01 隙間埋めてはっぴー
————旅に出ます。探さないでください。
それだけ。シンプルに物事をまとめて、余白の多い書置きを残した。君はそれを見たらどう思うだろうか。きっと探してくれると思う。探してくれるかなあ。疑いつつも多分来るんだろうなあ、なんて思いながら私は全力で失踪する。
考え事をする余裕があるから、全力疾走ではないんだけどねー。と、頭の中で独り言。
私が家から出た理由はと言うと。今の世界が嫌って言うのは、勿論そうなんだけど。でも、本当の世界とか、ぐちゃぐちゃに歪んだ真実を見たいとか、あるいは、光が見たいとか。そんなのではない。そんな事は、特に思ってないんだけど。でも心の奥ではきっと、多分、本当の世界とか、歪んだ真実とか、光を見たいと思ってたり。……するのかねえ。まあ、多分嘘。
今の現状とか、今の現実とか、今の世界とか。そういうのよりも、私が探しているもの。例え今がどんなに嫌でも、私が優先するのは、自分の落とした探し物。
君には言わなかったけれど、探してるんです。昨日、居なくなった自分を。何かがぽろっと落ちて、何かが足りなくて、寝れなくて、起きれなくて、考えられなくて。だから私は、探すんです。
落ち着かないのは、私が弱い奴だから。探さなくてもいい事なのに、探すのは、私が弱いから。昨日居なくなった私も、きっと弱い奴だからどこかで怯えている。私は全部、弱い奴だから、きっと外に出たりしたら死んでしまう。
君が必死に守ってた私だけど。私は、家から抜け出して、大事なものを探すんだ。必死で、全力で。私を見つけられたら、死んでしまっても構わない。
——君の心配とか恐怖とか、全力で無視して。私のためだけに私は行動しちゃったり。
「別に、いいでしょう? 私が戻ってきたら、君もはっぴーでしょ?」
君に向けるけど、そこに君は居なかったっちゅーね。