二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【クイズ】ボカロ曲を好き勝手に【企画】 ( No.241 )
日時: 2011/09/20 20:22
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)
参照: http://www.kaki-kaki.com/bbs_test/view.html?505007

 いつだって、無言で、無表情で。


#02 過去思い出し、だうん


 君が笑う夢を見た。どこで眠っていたのかすらも曖昧だったが、目を開けたら分かった。母校だったや。母校の屋上。
 案外、私の通っていた高校は、警備が緩くて夜でも簡単に入れた。とは言っても、校舎の玄関とか窓とかは全部締め切っている。私がどこから入ってきたのかと言うと、ちょっとした抜け道から。悪ふざけで私たちが壊したりした、あの頃は青春。今と比べて、ちょっとテンションが下がってしまう。
 多分、私がここに来る事も、予想済みなんだろうなあ。だなんて。私を取り戻さないうちに君に見つかるのは嫌だから、まだ空の暗い早朝に私は学校を後にした。
 私だって君から逃げたくないさ。私だって、君から離れたくない。けどさ、足が勝手に走り出すんだ。私がどっかに行ったってのも、一つの理由だけど。それでも、私なんかどうでも良かったり。私を見つけるのは、実際は出て行くそれなりの『理由』ってだけ。
 本当は、私が君と一緒に居ていいのか、それが不安になったんだ。だから逃げ出しちゃったんだ。本当は、逃げ出したくないんだけど。
 矛盾しながら、一生懸命。私たちは全力失踪。全力疾走して、坂を上りきる。疲れた。

 私の探している私が、世界を飛び出しちゃって、私は世界から消えてしまえたら、どんなにいい事か。消えた後も、君は私を探して探して、探し出して、見つけて、この世界まで引き上げてほしい。
 そんな我侭を、いつだって無言で無表情で、行動にも見せず望んでたり、叫んでたり。 
 私は、君の世界の中にはいないよ。だから、探してよ。私は、ここにいるから。ここに、いますから。
 君と二人で、よく来た駄菓子屋。私は君との笑顔を思い出して、再びテンションが下がってしまう。君との思い出を、また後にした。

 ——もし君が私を捕まえたら、叱らないで、優しくしてください。

そう、願うばかり。