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　ずっと私を、見ていてください。


＃04　万事解決であいらぶゆー


　君の中から消えたくないんだ。君の世界から消えたくないんだ。けど、負けたくもない。幸せなら自分で掴む。あの日逃げた自分は自分で掴む。その前に私から君の元へと戻っちゃったら、私は負けてしまう。
　あの日逃げた私の幸せを、探す。でも君の元へ戻りたい。君が恋しい。愛しい気持ちを抑えて私は走った。
　いつだって無意味に暴れている私。暴走して疾走して失踪して。君は隣に居ない。勝手に君の世界から、外に飛び出した。
　幸せが何なのかよく分からずに。君といた時間が一番の幸せか？　そう疑って出て行って。どうしたの私。全部空回り。空元気。

　幸せから逃げて逃げて、幸せを探して探して、幸せの象徴の愛しい愛しい君と会った。私は顔を悦ばせた。君に抱きついて、思いっきり泣いた。逃げ出して戻って。君が私の幸せなのに。それなのに、私は君から逃げ出して、この四日間、不幸だった。君も、不幸だったんだろうなあ。顔は少し痩せていて、目はくまが出来ていて、寝不足だったんだろうとか。これはきっと私のせいなんだ。きっとじゃない。私のせいだ。
　ここにいるから、ちゃんと私はあなたの腕の中で守られておくから。だから捕まえても、おかしな奇行をしてたって、お願い、自由にして下さい——。
　そう俯いたまま懇願した。君と目線を合わせるのが怖くて、まだちゃんと向けないけれど。君は、安心したのか、私を慰めるためか。「はは」と、力を抜いて笑った。

　もし私がこの世界から消えてしまうなら、急いで君の元へ走って逃げて、君の世界に守られて非難する。逃げるが勝ちって、よく言うし。
　いつだって、私たちは全力で、涙を見せるのが怖いから、恥ずかしいから。意地を張って強がってるんです。いつだって全力で、私たちは現実とか、時間とか、仕事とか、人とか、不幸とか。嫌なものと戦ってるんです。
　だからそういう時は、どこかに逃げたって捕まえないで。ただ陰から見守っててください。そしてたまには、陰から愛の言葉を囁いてほしいのです。
　ずっと私は、君に願っていたいのです。

「君に向けての、I love youを」



end / 全力失踪