二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 【クイズ】ボカロ曲を好き勝手に【企画】 ( No.253 )
日時: 2011/10/06 20:18
名前: 蟻 ◆v9jt8.IUtE (ID: V9u1HFiP)

 君以外居ないと思ったのに、意外な事に君じゃなかった。


#03 サノバビッチ


 いらつく奴が、彼の隣に纏わりついている。ホンノリと見せた雰囲気。そして彼を狙って、周りにバリアを張っている、チラミセの本性。私みたいな、汚い女。ズルイ。私にはバレバレすぎて、可愛いなんて、思う筈がないわ。

 そんな汚い女に、トイレで顔を合わせてしまった。こんな奴に会いたくなんか、ないのに。
 
「……アンタは、あの人の事狙ってるんでしょ? やめておいたら?」

憎らしく、まるで彼の相手は自分だ、と決め付ける様で。まだ付き合っても居ない癖に、上から目線で。
 猫かぶりの彼女。私の前ではズルムケの本性を見せて、面白がるのかしら。狙いすぎの態度が臭くて、私は顔をしかめた。

「はしたないわ」

彼女の顔が歪んだのが分かった。私を殴りたい衝動が走ったのか、彼女拳を握っていた。しかしここは学校ではないわ。会社員を殴ったりすれば、問題になるから、彼女は我慢しているのかもしれない。
 彼女は捨て台詞を吐いて、どこかに行ってしまった。彼女の言動なんかに興味はないから、私はそのままトイレを済ませて、そこから出た。
 そして私は、適当に笑い、適当に仕事を終え、会社から出て溜息を吐く。今日も無事終えた。苛立った事は、一つあったけれど。 
 まあいいや。明日は休日。まず掃除して、買い物に行こうかしら。服とかも買いたいし。

 そして休日。朝食を全部食べ終えて、掃除に取り掛かる。いつもやらない、細かい所にまで目を通す。三時間程かかって、全ての掃除が終わった。お風呂やトイレ、洗面所までピカピカと光を放っている。アイスコーヒーを飲みながら、一息ついていると、十二時の鐘がなった。そう言えば、お腹が空いたわね。買い物に行くついでに、ご飯も食べてこようかしら。
 
 お洒落をして、外に出る。
 いつもお世話になっているカフェに向かい、カルボナーラを頂いた。一時間ぐらいそこに滞在して、次はデパートに向かう。
 可愛い服や靴を沢山買った。そして、食材品とお菓子を買う。ケーキとたい焼きが売っていたので、どちらを買おうか迷ったけれど、私は和菓子の方が好みなので、たい焼きを買って、デパートの外に出た。
 既に空は日が暮れていた。どれだけデパートに居たんだろう。私は、疑問に思いながら前を向いて歩くと、見た事のある顔ぶれが私の通った。
 振り返って、目を疑う。言葉が出てこない。
 何あれ、何よ。知らない間に間違いを探している自分が居る。恋人の様じゃない。なんで、二人してペアルックなのよ。あれと、これと、それと。あなたと彼女の違う所を探しても、だめなの。違う所でも、同じだから。……なんていう喪失感。